日本旅行業協会(JATA)は1日、新役員による記者懇談会を東京都千代田区のJATA本部で開催。旅行業界の現状や課題、将来的ビジョンなどについて会長、副会長が説明した。坂巻伸昭会長(東武トップツアーズ社長執行役員)は、「安全、安心な旅の実現が今、旅行業に課せられた大きな課題だ」と強調した。
坂巻会長ら新役員は、6月22日開催の定時総会で選任された。記者懇談会で坂巻会長は「交流復活のカギは感染予防対策だ。観光や旅行の各場面での対策ガイドラインが求められている」と指摘。「まず国内旅行の部分からしっかりと取り組みを進め、安全、安心な旅行をしてもらえるように業界としてしっかりと取り組んでいきたい」と今後の方向性を示した。
国内、海外、訪日旅行の各取り組みに関して、担当する3副会長が説明。国内旅行担当の髙橋広行副会長(JTB会長)は、国内旅行喚起策「Go Toトラベルキャンペーン」について触れ、「会員各社を通じて個人旅行のみならず、団体旅行、修学旅行、業務出張などあらゆる旅行形態に対応して、キャンペーンの効果を全国津々浦々に浸透させたい」と語った。また、キャンペーンを活用して、「ワーケーションやロングステイ、アドベンチャーツーリズムといった新しい企画をさらに世の中に提案する」「長年、ツーリズム業界の課題であった旅行需要の分散化(エリア、時期、曜日の分散)を強力に推進したい」と意欲を示した。
訪日旅行担当の堀坂明弘副会長(日本旅行社長)は、旅行者にとって「安心、安全が今までにも増して重要事項になる」と指摘。JATAの取り組みのキーワードとして「品質」「安全衛生管理」「地方誘客」の三つを挙げた。
また、海外旅行担当の菊間潤吾副会長(ワールド航空サービス会長)は、「JATAでは安心、安全な海外旅行を目指して海外旅行のガイドラインの作成にとりかかっている」と語った。
記者会見を行う新役員