1月の訪日客、月間最高の290万人 1~4月累計は1千万人を突破


 日本政府観光局(JNTO)が17日に発表した今年4月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比12.5%増の290万1千人となった。これまで1カ月当たりで最高だった17年7月の268万2千人を上回り、月間の過去最高を記録した。昨年は4月中旬からだったキリスト教圏のイースター休暇が今年は3月末から始まったことで、欧州などで4月としてはマイナスになった市場があるが、航空路線の拡充や春の魅力を訴求するプロモーションの効果などで訪日需要は全体として堅調だった。

 国の訪日旅行促進の重点市場20カ国・地域のうち、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、フランス、ロシアが月間の過去最高を記録した。韓国、中国、シンガポール、マレーシア、豪州、米国、イタリアは、4月として過去最高となった。

 観光庁の田村明比古長官は、17日の会見で「一部でイースターの需要を3月に先食いした影響があったが、近隣諸国を中心に夏ダイヤの航空便数が増え、4月の訪日数の増加に寄与した」と説明した。訪日外国人旅行者数は、今年1~4月累計で前年同期比15.4%増の1051万9千人となり、前年より約1カ月早く過去最速で累計1千万人を突破した。

 4月の訪日旅行者数では、市場別で最多だった中国が、前年同月比29.2%増の68万3400人となった。個人旅行向けのキャンペーンやSNSでの情報発信が旅行需要を喚起し、団体旅行とともに好調だった。

 韓国は、同15.1%増の63万8500人。航空路線の拡充や外国旅行需要の増加傾向があり、訪日客数は堅調に推移した。

 台湾は、同13.7%増の47万人。昨年は4連休だった清明節休暇が今年は週末と合わせて5連休だったことに加え、チャーター便就航を含む航空路線の拡充、クルーズ船の寄港などで旅行者が増加した。

 香港は、イースター休暇の時期の変動もあり、同14.1%減の17万9900人となった。

 東南アジアでは、タイが同7.2%増の14万8600人。昨年は4連休だったソンクラン(タイ正月)が今年は5連休となったほか、上旬に3連休もあり、旅行需要が喚起された。

 フィリピンは、イースター休暇の移動がマイナス要因だが、同3.0%増の6万3900人だった。マニラ発の訪日クルーズの運航、ジェットスター・アジア航空のクラーク―関西線の就航などが貢献した。

 ベトナムは、同29.2%増の5万300人と好調。桜鑑賞を目玉にした訪日旅行商品が多く販売されたほか、チャーター便の就航、報奨旅行の催行も増加要因だった。

 マレーシアは同14.0%増の4万9200人、シンガポールは同6.3%増の3万7600人で、ともに桜鑑賞の人気などで訪日旅行の増加につながった。

 一方でインドネシアは、同4.7%減の4万3100人。3月の10.0%減に続いてマイナスとなった。「これまでの訪日はビザ(査証)の緩和効果に加え、日本路線の航空運賃の安さに助けられてきたが、運賃が下げ止まった。また、韓国、台湾が安い桜鑑賞ツアーを販売している。“桜”頼みでは競合してしまう」(観光庁の田村長官)。

 欧米豪の市場では、英国が同2.6%減の3万6200人、ドイツが同5.6%減の2万2100人など、イースター休暇の移動の影響を受けた。半面、米国が同4.2%増の14万7千人、豪州が同2.1%増の5万7400人、フランスが同17.6%増の4万4千人となるなど、旅行先としての日本の認知度の高まりもあって前年同月の実績を上回った。

 一方で、今年4月の出国日本人数(JNTO推計値)は、前年同月比9.9%増の135万6700人だった。1~4月累計では、前年同期比3.6%増の597万8千人となった。

 
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