高知県はこのほど、観光客向けグルメ冊子「高知家イチオシグルメガイド」を製作、県内の宿泊施設や道の駅などに配布した。グルメ情報誌は珍しくないが、これは県民総選挙で選ばれた飲食店を掲載しているのが特徴だ。県民お勧めの店で高知の味を堪能できるとあって、観光客に喜ばれそうだ。
「全国的に観光客の食志向は高まり、高知県にも『地元の人が勧めるものを食べたい』という目的を持った観光客が増えている」と県の観光振興部観光政策課。こうしたニーズに対応するには「あの店のあの料理、というようなより具体的な情報提供が重要」という。
県では昨年12月25日から今年1月20日の期間、県内の全世帯を対象に、観光客に勧める飲食店を県民投票で決める「『高知家の食卓』県民総選挙2014」を実施した。全国初の取り組みだ。
その結果、1万4314世帯から投票があり、飲食店数は3107店に上った。今回は上位に選ばれた店と、県外企業の高知支店長お勧めの店を加えた計60店を掲載している。
サイズはA4判26ページ。県内を7エリアに分け、まず54店を紹介。料理の写真のほか、県民お勧めのメニューやコメント、地図を添えている。
高知市エリア1位となったのはカツオ料理を提供する「藁焼きたたき明神丸」で、「迫力ある藁焼き実演が目の前で見られる」「ひろめ市場のにぎやかな雰囲気がいい」というお勧めのコメントともに、値段も書いており、財布の心配をしなくてもすむ。
このほか、大豊町のひばり食堂(嶺北エリア1位)や安芸市の廊中ふるさと館(東部エリア1位)、須崎市の橋本食堂(高幡エリア1位)などが“選抜入り”している。
また、県外に本社を置く旅行業者や金融機関などの高知支店長42人を対象に「支店長オススメ“裏”選挙」を実施し、主な6店を掲載。例えば、高知市の「土佐料理花鶴」は「旬の食材、高知の食材を生かしている」として紹介している。
県民投票で選ばれた飲食店を紹介するグルメガイドの内容