首里城再建へ支援 旅行業界、義援金やツアー造成で

  • 2019年12月2日

首里城を視察する沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合青年部員、國場議員、武井議員ら

 10月31日の火災で正殿などが焼失した首里城(沖縄県那覇市)の再建へ、旅行業界がさまざまな支援策を打ち出している。義援金を社員や顧客に募るほか、支援ツアーを造成し、収益の一部を寄付する。火災を直接の原因とするツアーキャンセルはほぼみられないが、同県観光のシンボルだけに、1日も早い再建を多くの観光関係者が望んでいる。

 日本旅行業協会(JATA)は11月14日から、ホームページやニュースメールを通じ、首里城の復旧・復興に向けた募金を全国の会員らに呼び掛けている。受付期間は来年1月31日まで。会員以外の個人からの募金も受け付ける。

 JTBグループは「1日も早い復旧に役立ててもらおう」と、総額1千万円の義援金を11月20日に寄付した。店舗への来店客には一口100円の義援金を来年2月29日まで募っている。集まった義援金は同社名義で、沖縄県が設置している首里城復旧の「寄附金口座」に納付する。

 JTBはまた、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクと連携し、同サイトでのクラウドファンディング型寄付の受け付けを始めた。11月13日現在、5億円を超える支援となっている。

 地元企業・団体のJTB沖縄、JTB協定旅館ホテル連盟沖縄支部連合会、JTBレキオス会、JTB八重山会、JTB宮古会の5者は11月15日、県内の報道機関を通じ、県に総額100万円の義援金を送った。

 日本旅行は社内で一口100円の募金活動を12月14日まで実施。阪急交通社は「再建支援策として、寄付を検討している」。HISは「義援金の贈呈を12月中旬に予定している」という。

 JATAは会員の旅行会社による復興支援ツアーの造成も決めた。収益の一部を支援金として関係機関に寄付する。専用のロゴとキャッチフレーズも制作する。

 JTBはウェブ専用商品「るるぶトラベル“首里城復旧・復興支援プラン”」をいち早く設定した。期間は来年3月31日まで(宿泊日基準)。支援を目的としたプラン料金の設定を宿泊施設に呼び掛け、賛同した施設が参画している。収益の中から1泊1室につき300円を義援金として県の口座に納付する。

 KNT―CTホールディングスは、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズムとも「首里城の火災で元気をなくした感がある沖縄への集中送客キャンペーンなどを予定している」。

 日本旅行はJATAの方針に準じて首里城復興応援ツアーをパンフレットとウェブで展開する。

 東武トップツアーズも「JATAの方針に足並みをそろえる予定」としている。

 HISは来年4月以降、300人規模の社員研修会を行い、今後の送客にもつなげる予定だ。

 首里城火災が沖縄観光に与える影響についてJATAは、「個人旅行では観光客の旅行目的がマリンスポーツやテーマ別観光、ロングステイなど多岐にわたっており、首里城火災に起因するキャンセルおよび新規予約への影響は見受けられない」。首里城を旅程に組み込んだエスコート型商品も、「歴史・文化を体験できる龍潭池、斎場御嶽などに振り替えて対応している」。

 団体旅行については、「一般団体は個人旅行と同様の理由からキャンセルおよび新規予約への影響は見受けられない。MICEの会場として首里城を利用する予定のあった団体もホテルなどに振り替えて対応している」。教育旅行も「方面変更、日程変更は今のところなし」(主要14社の11月から来年3月まで)という。

 沖縄の旅行者の約3割を占めるインバウンドも「従来の団体観光から体験プログラム、個人周遊観光へシフトしてきているので影響は少ないと想定される」。

 ただ、ある旅行会社は「重要なコンテンツを失い、沖縄観光にとって非常に大きい。首里城は初めて沖縄を訪れるお客さまが立ち寄る割合が高いことを勘案すると、初めての沖縄旅行を考えるお客さまが旅行を手控えることも否定できない」と危惧する。

 沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合青年部のメンバーは11月18日、同県選出の國場幸之助衆院議員、武井俊輔衆院議員とともに被災後の首里城を視察した。青年部の平良一部長は「再建に国の予算が付くとともに、多くの寄付も集まっていると聞く。(再建、復興の)今後の方向性を親会(沖縄県旅組)などに提言したい」と話している。


首里城を視察する沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合青年部員、國場議員、武井議員ら
      

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