飯島綜研、旅館・ホテル向けセミナー開催


飯島社長の講演

飯島社長の講演

 旅館ホテル・観光専門コンサルティング企業の飯島綜研(飯島賢二社長)は2日、「ホテル・旅館業生き残りセミナー」を東京・丸の内の日本M&Aセンターセミナールームで開いた。飯島社長、日本M&Aセンターの小川洋輝マネージャー、中小企業事業承継協会の幾島光子代表理事の3人が講演した。

 飯島社長はホテル・旅館の事業特性と経営状況について(1)典型的な装置産業であり、資産中の固定資産、特に建物の割合が多い(2)負債・資本合計に占める固定負債、借入金の割合が高い(3)資金回収年数が長い—ことを挙げた。

 (1)については「固定資産の割合の平均値が約85%」「建物の割合が全資産中の約48%」「償却期間(耐用年数)の平均が約25年」と解説。(2)では旧国観連加盟旅館クラスで「負債・資本合計に占める負債の割合の平均値は約96%」「自己資本比率は4%弱と非常に低い水準」「債務超過を解消できない状態」とした。(3)では同クラスで「有利子負債の金額は13億7764万円」「有利子負債返済年数の平均は約19年」と話した。

 その上で、これからの旅館経営について「今まで通り、ただ一生懸命やる経営では太刀打ちできない。『新時代リバイバル経営』が必要」と述べた。さらに「ホテル・旅館が地域経済に果たす役割は大きい。その意味で事業承継は責務」と力説した。

 事業承継の方法では(1)親族内承継(2)従業員等への承継・外部からの雇い入れ(3)M&A—の3種類があり、(1)または(2)が望ましいが、状況によって(3)も検討すべきとした。

 小川マネージャーは「中小企業の事業引き継ぎ型M&Aとは」と題して講演。M&Aのイメージが「乗っ取り、リストラ、マネーゲーム」から「友好的、企業の発展と存続、後継者問題解決、従業員雇用の継続」に変化してきている現状を説明。M&Aを「事業の存続と発展に有効な経営戦略」と定義づけた。

 幾島代表理事は「外部から経営幹部を採用する方法と事業承継計画策定のススメ」を講演。旅館・ホテルや医療系メーカーに社長、女将、経営者補佐役を紹介した成功事例を詳しく紹介した。

 また「現在の経営者平均年齢58歳だが、事業承継の理想は68歳。親族内承継には5年から10年の期間が必要」と説明。「資産承継には国からの支援施策も多いが、経営承継に近道はない。受け継ぐべきは、目に見えにくい経営資源」と強調した。

飯島社長の講演
飯島社長の講演
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒