全国からの誘客に本腰
秋の高山祭は中止
八幡祭は毎年10月9、10日に開催されるが、今年は9日に関係者だけで神事を行う。屋台の曳き廻しやからくり奉納、宵祭、御神幸(祭行列)の行事は全て取りやめる。山王祭(4月14、15日)も神事のみで、秋への期待も大きかっただけに喪失感は大きい。
8月の花火大会や陣屋前夜市など夏のイベントも軒並み中止が決まっており、「残念というしかない」と飛騨・高山観光コンベンション協会の関係者は肩を落とす。
そうした中、高山、飛騨両市と白川村は飛騨あんしんの旅キャンペーンを19日から開始した。
3市村は4月に「飛騨はお休み中」として、来訪を控えるメッセージを出していたが、18日に高山市の國島芳明市長、飛騨市の都竹淳也市長、白川村の成原茂村長が合同緊急記者会見を開き、「飛騨お目覚め宣言」を発表、観光誘客に地域一丸で取り組むことをアピールした。
キャンペーン期間は7月31日まで。3市村にある公営観光施設や賛同する民間施設を対象に、入場料を無料にしたり割り引いたりする。例えば、高山市では国史跡・高山陣屋や飛騨の里などが無料となり、高山祭屋台会館では絵葉書をプレゼントする。
飛騨市でも飛騨古川まつり会館や飛騨の匠文化館などが無料となるほか、白川村の国重文・旧遠山家民俗館も当日1回限り入館無料となる。
また、3市村で撮った思い出の写真を「あんしん飛騨」など指定ハッシュタグと共にSNSに投稿した人に各地のノベルティをプレゼントする。
独自のキャンペーンも展開。飛騨・高山観光コンベンション協会は岐阜県民で高山市に宿泊した人を対象に、市内での飲食や土産購入に使える電子地域通貨「さるぼぼコイン」のポイント、またはスマホを持っていない人には商品券を贈る「スマホでお得旅キャンペーン」を実施する。
奥飛騨温泉郷観光協会は全34施設で利用できる「あんきな商品券」を発行。白川村は7月10日から12月末まで宿泊料の半額(最大5千円)を割り引く「白川郷宿泊割引キャンペーン」で宿泊客増を図る。
春の高山祭(写真)に続き、秋の高山祭も中止に