韓国の7月訪日7.6%減少 旅行控え、路線は縮小へ 


 輸出規制や徴用工の問題などによる日韓関係の悪化で、韓国からの訪日旅行に影響が出ている。韓国からの訪日外国人旅行者数は、7月が前年同月比7.6%減の56万2千人(JNTO推計値)で、訪日旅行を控える動きが一部に見られた。韓国の航空会社による日本路線の減便、運休の発表も相次ぎ、今後の観光交流への影響が懸念されている。

 韓国からの訪日旅行者数の減少について観光庁の田端浩長官は21日の会見で、「最近の日韓情勢のほか、ウォン安などの韓国経済の状況、(観光客誘致の)競合国の動向などが影響している」と説明。JNTOソウル事務所による韓国の航空会社や旅行会社へのヒアリングを基に、訪日旅行の予約キャンセルや予約の鈍化が見られると指摘した。

 韓国からの訪日旅行需要は、関係悪化以前の19年前半に鈍化傾向が見られていたため、観光庁やJNTOは、5月下旬に韓国に幹部を派遣し、KATA(韓国旅行業協会)と対策を協議。航空便の就航などに合わせ、JNTOと韓国の航空会社、旅行会社との共同広告の展開などが計画されていたが、現時点で一部の延期を強いられている。

 韓国人客の構成比が高い地域や宿泊・観光施設への影響も大きいとみられる。大分県が20日に発表した7月の延べ宿泊者数の速報値(従業者数10人以上の170施設の推計値)で、韓国は前年同月比21.7%減の1万9643人泊だった。

 関係悪化や旅客減少の影響は、韓国の航空会社による日本路線の減便、運休にも及びつつあるようだ。大韓航空は20日、日本路線11路線について9月16日以降の運休や減便を発表。アシアナ航空や、LCC(格安航空会社)のティーウェイ航空なども日本路線の一部の減便、運休を発表している。

 観光庁では、引き続き韓国の訪日旅行動向に注視し、状況に応じて対策を打ち出す考えだ。田端長官は「JNTOの公式サイトや公式SNSでは、日本各地の魅力など、韓国向けの情報発信を継続している。こういう時こそしっかりと取り組む。状況に応じてプロモーションを実施できるよう韓国の産業界との連携も継続している」と強調した。

 日韓関係について石井啓一国土交通相は22日の会見で、「日韓間にはさまざまな課題があるが、人的交流は両国の相互理解の基盤であり、両国間の観光交流を通じて、両国民間の相互理解を促進していくことが重要だ」と述べた。

 
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