電通、デジタルトラベル最新動向セミナーを実施


 電通はこのほど、「デジタル・トラベル最新動向セミナー」を東京都港区の本社で開いた。観光関連業界から約150人が出席した。

 基調講演「観光におけるデジタル・マーケティングの必要性」では、日本政府観光局(JNTO)の柏木隆久理事が登壇=写真。インターネットを取り巻く世界のトレンドについて「全世界でのデバイス利用シェアは16年1月時点で、PCが前年比9%減の56%、スマホが同21%増の39%、タブレットが同21%減の5%。全世界人口74億人のうち34・2億人が日常的にインターネットを利用している」と紹介した。

 その上で「世界各国で進むデジタル・コミュニケーションの拡大と一般化という市場モデルの変化に対応するため、JNTOはデジタル・マーケティングを本格導入する。データ分析に基づく科学的マーケティングを実施し、外国人視点によるウェブサイトなどのコンテンツの充実を図っていく」と述べた。

 具体的には、インフルエンサー、メディア・旅行会社構成員等をデータベース化(プール)し、多様化させたコンテンツを世界中の多様な受け手にターゲティング発信するとした。「コンテンツプール・トピックスプールの整備や、SNSを活用したコンテンツ収集で、発信コンテンツを多様化。グローバルアプローチとして、無関心層をターゲットとする全世界キャンペーンを実施する」と解説した。

 電通マーケティングソリューション局の阿南理佳子氏は、「もう怖くない。OTAユーザー発見」と題して、国内OTAユーザーを対象に行った調査結果を発表。「旅行検討段階別のオンライン上の情報源」という設問の回答を4段階で3位まで紹介した。

 「旅行先を数カ所に絞る段階」では1位楽天トラベル45%、2位じゃらんnet31%、3位現地の観光案内サイト30%。「旅行先決定段階」では1位楽天トラベル39・3%、2位現地の観光案内サイト28・2%、3位じゃらんnet24・8%。「旅程の検討段階」では、1位現地の観光案内サイト32・2%、2位楽天トラベル30・7%、3位現地の宿泊施設サイト21・2%。「旅行期間中段階」では、1位現地の観光案内サイト33・5%、2位現地の宿泊施設サイト19・3%、3位食べログ15・8%だったとし、「OTAや食べログに加えて、現地の観光案内サイト、現地の宿泊施設サイトが健闘している」と解説した。

 また「インターネットから主に情報収集しているものの、約3人に1人は雑誌、ガイドブック、書籍も見ている。るるぶ情報版が圧倒的に強く、まっぷるマガジン、現地のガイドブック・パンフレットも信頼されている」と述べ、国内OTAユーザーの3割は紙媒体を併用していることを示した。

 「事例紹介」では、電通パブリック・アカウントセンター地方創生室長の浅香彰彦氏をモデレーターに、訪日ラボ運営会社mov代表取締役の渡邊誠氏、日光DMO代表の渡辺広之氏、阿寒観光まちづくり推進機構DMO推進部長の森尾俊昭氏、上市町アドバイザー・JTB×電通地域観光マーケティングスクールプログラムディレクターの加形拓也氏の4人がパネリストとして登壇。各地域等の課題とデジタル・マーケティングを生かした具体策などを紹介した。

 
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