経済産業省は震災に伴う夏季の電力対策で、7月1日から東京・東北電力管内の大口需要家(契約電力500キロワット以上)に対する使用制限を発動する。夜間〜早朝を除く平日を対象に、昨夏のピーク時の使用電力の15%削減を義務づける。避難所などを除くほか、一部業種には緩和措置があり、旅館・ホテルの削減率は10%に設定された。大口需要家に該当する大型の宿泊施設は、削減への対策が必要となる。
契約電力の大小、事業所、家庭にかかわらず、東京・東北電力管内の今年夏の目標はピーク時の15%削減だが、大口需要家には電気事業法に基づく使用制限がかかる。
大口需要家に対する使用制限は、東京電力管内は9月22日まで、東北電力管内は9月9日まで。時間帯は平日の午前9時〜午後8時。お盆期間でも土・日曜以外は制限がかかる。昨年の同時期の使用最大電力(1時間単位)から15%削減した値が使用できる上限。故意の違反には罰金もある。
大口需要家であっても社会・経済活動への影響を考慮し、適用除外や制限緩和の措置がある。旅館・ホテルは、「人流・物流等への影響が大きく電力の使用時間帯が変えられない」として、削減率は10%に配慮された。
大口需要家には6月初めに制限値が記載された通知が届く。7月1日から制限の緩和措置を受けるには、6月17日までに申請書を提出する必要がある。