
通常時のしらはまこんぱすの画面
和歌山県白浜町(井澗誠町長)は10月26日、関西初の観光防災デジタルマップ「しらはまこんぱす」の運用を始めた。通常は地図上に現在地と観光情報などを表示し、防災モードへの切り替えでハザードマップや避難所位置を参照できる。観光客の利便性や観光満足度の向上だけでなく、町民と観光客に対して確実性、網羅性の高い防災情報の提供手段を確保することで、安心して過ごせる白浜町をアピールしたい考えだ。
しらはまこんぱすは、ウフル(東京都港区、園田崇史社長)が提供するデジタルマップ「elcompath(エルコンパス)」を活用。アプリ不要でブラウザから利用できるシステムを採用したことで、津波警戒区域に位置しながらも、年間300万人の観光客が訪れる同町が求める、観光情報と防災情報の効率的な提供を実現した。
通常の画面では、デジタルマップ上に、現在地と周辺の絶景スポットや温泉などの観光情報を表示。
さらに、地図上から大正時代からの写真をデジタル化したものを参照できるコンテンツも用意し、町民含め観光客らが同町の災害復興の歴史や知られざる白浜の文化を感じ取れるスポットを楽しめるようにした。
また、ふるさと納税の返礼品と連動した同町の電子商品券「Yanico(やにこ)」加盟店を表示し、「観光客による『旅先納税』を後押しし、町内消費の拡大にもつなげたい」と滝本斉・白浜町総務課主任はいう。
地図上で防災モードに切り替えると、現在地とともに避難所の位置やハザードマップが表示。同町に土地勘のない観光客でも速やかに防災情報につながり、避難行動に移れるようにした。
同町ではしらはまこんぱすのコンセプトを「つくる・つむぐ・つなげる」としており、住民たちによる地域魅力の掘り起こしや観光客を含めた情報共有による地域活性化のプラットフォームとして活用したい考え。
今後は地域住民やリピーターなどによるオンライン写真展の開催やファンクラブ制度の導入なども視野に入れる。
滝本氏は、「町民と観光客により多く使ってもらうことが何より重要だ。利用者の声を聞きながら、掲載情報や情報の投稿機能などを充実させていきたい」と意欲を語った。
通常時のしらはまこんぱすの画面