長野県、宿泊施設の再生を支援


 長野県と信州・長野県観光協会は、県内観光産業の中核となる宿泊業者を支援するため、新たに「宿泊施設再生モデル事業」を実施することを決めた。個々の業者の経営改善プランに対して相談面から支援し、現在抱えている課題の解決を通じて経営力強化を図るのが狙い。県は「ここでの手法を1つのモデルとして広く情報提供し、他の事業者の参考にしてもらう」(観光部)考えだ。地方自治体自らが宿泊施設の再生にかかわるのは全国的にも珍しい。

 現在、事業の対象となる宿泊施設を募集している。8月4、5日には事前説明会を行い、事業への理解、協力を求める。8月中にも「宿泊施設再生検討委員会」を立ち上げ、モデル宿泊施設として5軒程度を選定するとともに、事業の実施効果を検証する。施設名は公開しない方針。

 県は稼働率や宿泊客の平均単価、損益と財務の概要、経営上の課題などが把握できる「自己診断シート」を作成。応募時に提出してもらい、このシートを基に、財団法人日本交通公社がアレンジしたものを経営改善プランとして実行してもらう計画だ。

 経営改善プランを計画通り進めるため「経営革新コーディネーター」を施設に派遣。コーディネーターは経営課題に応じて(1)経営力向上(2)商品力・販売力向上(3)運営力向上──の3分野から選択して指導する。

 例えば運営力向上では労務管理について、季節波動や曜日波動、時間帯別の繁閑対策など、旅館特有の要員管理手法を勤務シフトと作業時間の分析を基に、ワークスケジュール管理の視点から指導する。

 コーディネーターは財団法人日本交通公社やJTB商事、サービス経営研究所などで旅館・ホテルの経営指導に実績を持つ人が候補にあがっている。支援・相談料については一部を観光協会が助成するが「施設には50万円とコーディネーターの旅費や宿泊費を負担してもらう」(同)。

 検討委で検証した事業効果を旅館・ホテルの再生モデルとして情報を公開、「県内宿泊産業の活性化につなげたい」としている。

 
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