長崎県の雲仙温泉と小浜温泉の女将ら約30人は12月7日朝、雲仙九州ホテルで麻生太郎首相と1時間懇談した。
うぐいすや旅館の高木アズミ女将(小浜温泉旅館組合女性部部長)は「世界的金融危機で農林漁業や観光業も苦戦しているが、長年の念願だった観光庁が10月スタートした。私たちは人々に健康と安らぎをもたらす温泉事業でがんばっていきます」と女将らを代表してあいさつした。
麻生首相は「例えば、和倉温泉の加賀屋は早くから台湾人インバウンドに着目して、誘致に成功した。日本旅館のおもてなしの心を主体にして外国人旅行客にも対応できる社員教育を徹底してきた成果がでている」と話し、宿におけるスタッフ教育の大切さを説いた。
宮崎旅館の宮崎美雅子女将(雲仙旅館ホテル組合婦人部)は「1月10日から博多〜雲仙間の直行送迎バスを片道1千円で運行する。公共の電車、バスを使うと約6千円かかるが、貸し切りバス代を雲仙温泉の宿14軒で案分して宿泊客向けに共同運行する」と誘客のための新しい取り組みを紹介した。その上で「最低9カ月間は続けるつもりだが、負担は重い。行政の協力が得られるような仕組みがあれば」と話し、地域振興支援策を要望した。
雲仙市の法被を着てあいさつする麻生首相