
意欲を語る野口秀夫社長
北海道内宿泊業最大手の野口観光(本社=登別市)はこのほど、全国でホテルなどを運営する「グランビスタホテル&リゾート」(本社=東京都)から札幌市定山渓温泉の老舗ホテル「章月グランドホテル」を買収したことを発表した。
同社が定山渓温泉に進出するのは初めて。定山渓温泉は90%が道内客であり、大半は札幌からの利用客。近くの登別や洞爺湖などで運営するホテルとの周遊効果と併せて集客を拡大する。
ホテルは通常通り営業を続け、6月1日から野口観光が運営を引き継ぐ。名称は変更しない。
料金やサービス面も当面は踏襲予定。利用客や従業員の声を聞き、将来的にはコンセプトに合わせた改修や名称変更を検討する。買収額は非公表。
利用料金は1泊2食付き1万5千円から2万5千円程度。年間の売り上げ目標は5億9千万円を想定する。
記者発表で野口観光の野口秀夫社長は「以前から定山渓への進出に魅力を感じていた。歴史あるブランドに新しい血を入れてより素晴らしいホテルとし、定山渓温泉の発展にも寄与していきたい」と意気込みを述べた。
章月グランドホテルは1934年に章月旅館として開業し、64年に現名称に改称。地上8階建て延べ床面積約8500平方メートルで全59室。全客室から豊平川の渓流を望め、定山渓有数の老舗ホテルとして知られる。
野口観光では、休館中だった苫小牧市内のホテルの改装を終え、4月1日から「新苫小牧プリンスホテル 和(なごみ)」としてリニューアルオープンした。同社の運営するホテルは、章月グランドホテルの買収で20施設目(道内17施設)となる。