都道府県の観光事業費、4年間で1.6倍 JTB総研調べ


エマ・サーカさんが講演

エマ・サーカさんが講演

 JTB総合研究所(日比野健社長)は20日、このほど実施した観光関連予算の調査に協力した都道府県と政令指定都市を対象として、その調査の報告会と訪日観光・MICEセミナーを東京で開催した。2009年度から13年度までの4年間で観光事業費の平均額は1.6倍、その中の国際観光(インバウンド)に関わる経費の平均額は3倍強に増加したことなどを報告。セミナーではBBC(英国放送協会)の関係者が、訪日観光を促進させるにはデスティネーションブランディングによって日本の認知度を高める必要があると提案した。

 調査によると13年度の観光事業費の全体平均額は6億4417万円で、前年度より10.3%減少。しかし、09年度から13年度の比較が可能な41都道府県でこの4年間の動きを見ると63.2%増加している。各都道府県、政令指定都市が訪日誘致へ向けた動きを強めたことなどが増加の背景にある。

 13年度のインバウンド経費の平均額は対前年比33.9%減の9233万円。同様の手法での09年度比では3倍強に伸びている。インバウンド誘致施策内容は、東南アジアからの訪日外客に注力する動きが見られた。

 MICEに取り組むためのポイントとしては、(1)MICE推進に関する戦略・計画の明確化(2)MICE開催施設の機能整理(3)MICE推進のための体制づくり—の3点が提示された。

 セミナーではBBCアドバタイジングのロンリープラネット担当ディレクター、エマ・サーカさんが「海外から見た観光地としての日本の地域と効果的な観光振興PR」について講演した。西洋で日本は観光地として人気があると評価したうえで、「懸念は日本の旅行が高いこと。言葉やエチケットの問題もある。また、東京や京都など大都市はよく知られているが、そのほかの地方では何ができるのか理解されていない」と課題を示した。

 さらに「将来を考えると中国、韓国、インドなどがますます人気を増して、それらの国に後れをとる状況がくる」と指摘。2020年の五輪開催は非常に大きなチャンスだとして、「質の高いデスティネーションブランディングを長期的な展望で行うことによって、日本の認知度を高めていくことが大事だ」と訴えた。

エマ・サーカさんが講演
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