都道府県で観光部門の強化相次ぐ、観光局や課、室などの新設も 本社調べ


4月1日付で「観光交流推進局」を新設する宮崎県(県庁)

4月1日付で「観光交流推進局」を新設する宮崎県(県庁)

 今年10月の「観光庁」創設に歩調を合わせるかのように、都道府県で観光部門の強化を図る動きが強まっている。これまで福島や新潟、静岡の3県が08年度に「観光局」などを新設することが分かっていたが、本社が電話取材したところ、新たに富山県や奈良県なども「局」を立ち上げることが明らかになった。部や局という大がかりな組織改正は行わないものの、専門監の設置や課、室の充実などに踏み込むところも少なくない。08年度に新たな動きを見せる自治体を取り上げた。

 経済部観光振興課、同観光のくにづくり推進室を経て、06年4月に現在の「経済部観光のくにづくり推進局」を設けた北海道。観光への取り組みは確実にパワーアップしている。部への昇格は今のところ検討されていないが、「観光は重視しているので、今後、部への格上げはあるかもしれない」(関係者)。

 商工労働部観光局を持つ青森県。局内に観光企画課と新幹線交流推進課があり、それぞれ3〜4のグループを持つが、08年度に再編し、各課に3グループ(企画G・施設整備G・観光開発G、新幹線効果活用G・国内観光G・国際観光G)を設置する。

 秋田県は韓国対策を強化。韓国に新たにコーディネーターを1人配置、旅行会社への売り込みを強化するとともに、課長級の「韓国交流推進監」を設ける。また、国際観光班の韓国担当は従来、県職員2人と観光交流員1人だったが、2月から県職員3人を増員、6人体制で誘客を図る。

 福島県は商工労働部内に「観光交流局」を設置する。観光交流課、空港交流課、県産品振興戦略課の3課を置き、人員は約40人に。

 神奈川県では4月1日から、商工労働部商業観光流通課の観光振興班(13人)を「観光室」(15人)とする。08年度は観光産業構造の基礎調査を行う予定だ。

 新潟県は産業労働観光部の観光振興課(人員19人)を拡充し、同部内に「観光局」を立ち上げる。交流企画課、観光振興室の2課を配置し、人員は23人とする。

 観光企画課と観光振興課を持つ長野県の「観光部」。県議会で関連議案が成立すれば、4月1日から新たに「国際課」が加わる。国際交流、旅券事務などを担当する。人員は未定。

 富山県では4月1日から「観光・地域振興局」が発足する。商工労働部にあった観光課を同局下に置き、コンベンション誘致班と観光企画係、国際観光係、特産振興係を配置する。

 岐阜県は総合企画部に地域振興課を設置するとともに、従来の産業労働部を「産業労働観光部」に改称。観光交流課と、ぎふブランド振興課の一部を統合した「観光・ブランド振興課」を設置する。

 産業部振興局の観光コンベンション室(20人)を再編し、同部に「観光局」を新設するのは静岡県。21人体制となり、(1) 県内全域の観光振興(旅行商品造りの支援、人材育成、メディア広報) (2) 富士山静岡空港開港(来年3月)に合わせた誘客促進 (3) コンベンション誘致の強化──などに取り組む。また、コンベンション誘致を担当する専門監1人、国際観光スタッフ3人を配置する。

 京都府は4月から商工部を「商工労働観光部」とする。商工部には観光・コンベンション室があるが、同部発足で同室がどう変わるか、現状では不明。

 企画部観光交流局を持つ奈良県だが、4月からは「地域振興部文化観光局」とし、観光振興課、奈良の魅力創造課、国際観光課、文化課を置く。10年の「平城京遷都1300年記念事業」をにらんだ組織改正だ。

 文化観光局を持つ鳥取県。08年度は観光課を「観光政策課」とし、その下に国際観光振興室と観光資源振興室を設置。そのほか、観光戦略担当を2〜3人配置する。人員も現行の19人から25人程度まで増やす予定だ。

 08年度から産業労働部に次長級ポストの「観光政策企画監」と、観光物産課に「交流推進班」を新設し、観光政策の強化に乗り出すのは岡山県。観光政策企画監は観光関係の施策全般を統括し、部局を横断するような施策の調整も行う。「08年度の早い時期に『観光立県宣言』を打ち出す」方針だ。

 東国原英夫知事の活躍で注目を集める宮崎県。商工観光労働部観光リゾート課を4月1日から、「観光交流推進局」として新設する。局の下に観光推進課とみやざきアピール課を設け、アピール課は文字通り、県の広報活動を行う。

 沖縄県の仲井眞弘多知事は公約に観光客1千万人、外客100万人達成を掲げている。現在は観光商工部だが、「達成に向け、観光部の独立は検討課題であり、1つの案として上がっている」と言う。

4月1日付で「観光交流推進局」を新設する宮崎県(県庁)
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