近畿日本ツーリスト関西は2月25日、 IGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)に加盟したと発表した。
(公式サイト: https://www.iglta.org)
LGBTツーリズム普及のため、1983年に創立された旅行業団体。世界80ヵ国に1,000以上のメンバーを抱え、旅行会社やホテル、航空会社などが加盟しています。情報が少ないLGBTマーケティングの貴重な情報源となっており、旅行商品を企画する際のホテル選定等にも多大な影響を与えています。
年次総会「IGLTA Global Convention」も開催されており、2018年度はカナダ・トロントにて、40ヶ国から500名以上が参加しました(今後の年次総会開催地 2019年:アメリカ・ニューヨーク、2020年:イタリア・ミラノ)。
LGBTは、Lesbian(レズビアン/女性同性愛者)、 Gay(ゲイ/男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシャル/両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー/心と体の性が一致しない人)の頭文字をとり、セクシャル・マイノリティ(性的少数者)の一部の人々を指した総称です。
日本国内のLGBT人口は1,000万人以上とされ、総人口の約8%を占めています。LGBT旅行者の主な特徴としては、可処分所得が高く自己投資支出にも積極的な人が多いとされています。また、自らのセクシュアリティーを公表していない人も多いため、「非日常の空間や体験で自身を開放したい」という思いから、旅行関連の消費金額も非LGBT層と比較して高い傾向にあります。
近年、日本社会においてもLGBTの方々の権利を守り生活しやすい環境を整えるための行政や企業の取組が進められています。多様な人材を積極的に活用しようという考え方(ダイバーシティ)が進み、さらに、それらの多様な人材の違いを個性として受け入れ、対等に関わり合いながら一体化し、個々の能力を組織に活かすこと(インクルージョン)が求められています。
また、今後の関西においては、本年から3年間にわたるゴールデン・スポーツイヤーズ、本年のG20大阪サミット、2025年の大阪・関西万博、現在誘致が進められているIR(統合型リゾート)等のグローバルMICE案件により、人々を取り巻く社会環境や価値観も大きく変化すると思われます。その流れの一つとして、関西におけるLGBTマーケットのさらなる拡大が見込まれます。
KNT関西は、今回のIGLTA加盟を機に、上記のダイバーシティ&インクルージョンに基づき、社員一人ひとりが相互承認される働きやすい会社としての企業風土づくりを推進してまいります。また、LGBTツーリズムへの取組を強化し、LGBT層のお客様はもちろん非LGBT層のお客様も含めた全ての方々に価値ある旅行サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
【今後の主な取組】
①ダイバーシティ&インクルージョンの推進と、一人ひとりが働きやすい企業風土の醸成
(社員全員がLGBTに関するeラーニングを受講し、正しい知識を身に付け理解を深めます。)
②MICE、教育旅行、インバウンド、地域誘客、個人旅行など、各分野における新たな収益創造
③国内及び海外で開催されるLGBT関連イベントへの参画
④LGBTフレンドリー企業としてのKNT関西の取組内容を紹介する活動