農林水産省は農山漁村を訪れる外国人観光客を増やそうと「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」事業を展開しているが、対象となる農山漁村地域10カ所を新たに認定した。これら地域は統一の認定ロゴマークを使用し、海外に向け事業をアピールできる。
SAVOR JAPAN制度は2016年度に創設。地域の農林水産物を使った「食」を核に、景観などの観光資源を組み合わせて観光ルートを設定、「SAVOR JAPANブランド」で訪日客を誘客する。初年度は北海道の十勝地域など5地域を認定した。
同省は、「政府として広報を含めて(SAVOR JAPANを)PRしているので認知度は徐々に上がっており、(認定地域を訪れる)外国人は増える傾向にあると認識している」(食文化・市場開拓課)という。
17年度は、応募に対して全国18地域から認定申請があり、観光庁との協議や有識者会議委員からの助言を経て、農水相から国土交通相へ意見照会した上で、特に優れた取り組みをしている地域10カ所を選んだ。
選ばれたのは大館地域(秋田)、会津若松市(福島)、浜松・浜名湖地域(静岡)、十日町市(新潟)、小松市(石川)、小浜市(福井)、京都府北部地域(京都府)、紀の川市(和歌山)、さぬき地域(香川)、高千穂郷・椎葉山地域(宮崎)。
このうち、大館地域では秋田犬ツーリズムが実行組織となり、地域の伝統食である「きりたんぽ」と秋田犬、マタギの歴史的関係に焦点をあて、きりたんぽの誕生ストーリーを農家との触れ合いにより体感することができる。
古代より豊富な海産物で朝廷の食文化を支えた「御食国(みけつくに)」としての歴史がある小浜市。現在でも600を超える食と関わりが深い行事が行われている。これら民俗行事と多彩なプログラムを組み合わせ、来訪客のニーズに合わせた複数の行程を提供する。
認定ロゴマークは山、海、田、畑、川、そして箸を表している