農協観光協定旅館ホテル連盟 会長 菅野 豊氏に聞く

  • 2022年1月14日

菅野会長

農旅連のかじ取り

組織再編など3事業展開 ローカリティを大事に

 ――コロナ禍で観光、旅館業界が大変な時での農協観光協定旅館ホテル連盟の会長就任となった。

 「大勢のお客さまに支えられる旅館は3密が当たり前だった。それがこのコロナ禍でできなくなった。業界としてこれは一つの危機だと思うが、3密にならず、安心安全な商品造りが求められるようになった。コロナ禍の影響は大きいが、旅館の在り方を考えるいいきっかけになった。いろんな意味でね。こういう問題が起きないと労務効率の悪さや生産性の低さは改善しないのではないかと思う。ものは考えようで、その意味ではこの時期の就任もそう悪くはない」

 ――JAをバックにする農協観光は大手など他の総合旅行会社とはやや立ち位置が異なるが、どう捉えているか。

 「団体旅行を扱い、かつ平日に送客してくれること。農協観光の主要顧客は農協さんであり、そこをしっかりと押さえておけば十分やっていけると考えている。コロナ禍で団体旅行は減ってはいるが、なくなることはない。農業は国の基本だ。農業に従事する人がいる以上、農協観光のお客さまは存在している」

 ――会長に就任して、これからどんな事業展開を考えているか。

 「三つある。まず一つは旅連の組織再編を計画通り進めること。農協観光の組織機構のスリム化に伴い、現行の『本部―支部連合―県支部』体制から、2022年度には『本部―圏域エリア支部(統括支店単位)』体制に移行する。新組織がスムーズに機能するよう、会員に周知徹底する」

 「二つ目は地元の農協組織との結びつき、関係を強化すること。これが意外に抜けている。農協さんの旅行を農協観光が全て手掛けているわけではない。他の旅行会社が扱っている場合もあり、取りこぼしがある。そうならないためにも農協さんとの関係を強め、農協観光を通じて、旅連会員の施設を利用してもらうようにする」

 「三つ目は農協観光の強みを再確認し、営業に新たな切り口を加え、身近な農協観光になってもらう」

 「われわれの相手は農協さんであり、ターゲットははっきりしている。農協さんといえば中高年のイメージが強いが、青年部や女性部などいろいろな組織がある。それらをターゲットにするのだから営業的にはやりやすいのではないか」

 ――組織再編の影響は。

 「全体的に組織がスリム化するわけだから人数も少なくなる。営業能力の低下も考えられるが、少数精鋭主義でがんばりたい」

 ――旅連会員はいま1100ほどだが、この数字に関しては。

 「まだまだ少ない。入会しているメリットがないと判断すれば退会する会員もいる。一番大事なことは旅連に入って良かったと思ってもらうことだ。私としては農協観光に対し会長としてきちんとものを言い、双方が良くなるよう努める。農協観光の良さがまだまだ伝わっていないし、今後会員増強に向け、引き続き強力に取り組んでいく」

 ――コロナも落ち着きを見せ、緊急事態宣言も解除された。だんだんと人が動くようになってきた。実感はあるか。

 「福島県でも県民割が始まったが、予約の電話がずいぶんと入ってきている。それでもコロナ前の水準には戻っていない。完全に戻るのにはあと1~2年かかると思った方がいい」

 ――旅行者の意識に変化はあるか。

 「露天風呂付き客室など高価格帯の客室から埋まっていく。最近、若い人が露付きに泊まるようになってきた。自分たちの世界を大事にしたい、人と関わりたくないという意識が強いのかな。食事は朝夕とも部屋出しで、部屋の中で完結するようになってきた」

 ――農協観光に期待することは。

 「地元、ローカリティを大事にしてほしい。東北は東北らしさ、関西は関西らしさというか、その土地ならではのオリジナリティーがある。それを土台にした商品造りを行い、提案していってほしい。また、農協観光と旅連の人間関係も大事だ。それを大事にしていれば大丈夫だと思う。行きつくところは人。それに尽きる」

 かんの・ゆたか 日本大学工学部卒。ホテル華の湯会長。2009年農旅連理事、14年常務理事、17年副会長・東北支部連合会会長を経て、21年7月1日会長理事就任。福島県郡山市出身。74歳。

【聞き手・内井高弘】

 
 
 
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