観光都市・八王子目指し、杏林大がフォーラム開催


 杏林大学(東京都八王子市、跡見裕学長)は6日、「八王子まちづくりフォーラム〜魅力ある観光地へのまちづくりとひとづくり」をJR八王子駅前の八王子学園都市センターのイベントホールで開いた。市民を中心に約200人が参加した=写真。

 跡見学長は「観光は人々の生活にとってますます身近になってきている。杏林大も4月に外国語学部に観光交流文化学科を開設し、異文化交流のできる人材を育成している」とあいさつ。黒須隆一八王子市市長は「フォーラムの開催は今年で4回目。産業、芸術、文化、福祉と毎年さまざまな角度からご提案をいただいており、今年のテーマは観光。ミシュラン3つ星の『高尾山』を抱える八王子市の観光発展にとって貴重な助言となる」と述べた。

 フォーラムでは、桑野和泉・由布院観光協会会長が基調講演「まちづくりと観光ホスピタリティ」を行った。旅館が中心となって行ってきた由布院のまちづくり、30年間の取り組み内容を紹介した。

 滞在型温泉保養地を掲げる由布院温泉には年間観光客約380万人、年間宿泊客約90万人が訪問する。うち6割がリピーターで、1割は10回以上訪れているという。旅館組合には90施設が加盟しており、平均客室数は1施設あたり14室と小規模。宿泊単価は1泊2食付で6千円から6万円まで開きがあるが、桑野氏は「価格に幅があることで、いろいろなパターンの旅行ができる。町の中は仲間、競争は外とすればよい」とその効果を明かした。

 岩崎公生・観光交流文化学科教授がコーディネーターを務めた、パネルディスカッション「魅力ある観光地へのまちづくりとひとづくり」には、パネリストとして桑名氏、西田隆・八王子市産業振興部観光課長、藤原義雄・JR東日本八王子支社営業部長、福島規子・オフィスヴァルト・サービスコンサルタントの各氏が登壇した。

 また同大3年で岩崎教授のゼミに所属する、岡本あらんさん、森内しおりさんの2人が、八王子の町中でシャッター通りとなってしまっている各商店街を実際に取材した成果を発表した。

 問題点として、(1)商店街の人々の意識の低さ(2)リーダーの不在(3)後継者の不在(4)ウェルカム精神の不在──を指摘。解決策として、商店街どうしの連携、市内に21校ある大学との連携を挙げた。

 また、八王子市の観光振興のために学生ができることとして「八王子市の観光案内所の運営」と「町の子供たちに観光知識を伝えること」を提案。「(取材を通して)地域では資源が眠っているのではなく、人が眠っているのだと気づいた。町を変えようと思ったら、まず自分を変え、行動しなければならない。1人が動くことから町は動き始める」と結んだ。

 
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