観光経済新聞が全国の旅館・ホテルに聞いた経営者の胸中、国への要望


「”真水”の補給を」「国境早く開いて」

 長く続くコロナ禍で疲弊する宿泊業界。国はさまざまな支援策を講じるが、全てが満遍なく効果を及ぼしているとは必ずしも言えない。全国の旅館・ホテル経営者に、国に対する今の率直な思い、要望を聞いた。

 Go Toトラベル事業は1年以上停止したままで、いまだ具体的な再開見込みのアナウンスもない。同事業について「早期再開」(九州・A旅館)、「早期再開を求める。旅行への動きだしのエンジンをかける第一歩になるからだ」(九州・B旅館)、「県民割では効果がかなり限定的」(関西・C旅館)と、その待望論は根強い。

 一方で、「Go Toトラベルは超高級旅館・ホテルにお客さんは行ってしまった。うちのような零細、個人営業に近い小さい施設はその恩恵はわずかだった」(甲信越・D旅館)、「Go To等の対策はもちろん必要かと思うが、一過性の要素が強く、またコロナの先行き不透明感を考慮すると、『守り』の部分での対策が当分必要かと思う」(東海・E旅館)、「Go Toトラベルはありがたい半面、非常に強い薬でもある。終わった後の反動も大きくなるので、オフシーズンを中心にやった方が3密回避の意味でも大事だと思う」(甲信越・F旅館)と、内容やタイミングに関する注文も多い。

 雇用調整助成金の特例措置は「さらなる延長」(関東・G旅館)、「非常に感謝している」(四国・H旅館)とする一方で、「雇調金をはじめとする各種支援金額が基本的に一律であったことに疑問と不満がある。小規模であればあるほど、その恩恵を受ける法人が多かったように思う。可能であれば、売上高など企業のレイヤーに分けた支援をお願いしたい」と、客室100室規模の旅館は切望する。

 政府系や民間金融機関による実質無利子無担保の「ゼロゼロ融資」は、返済が本格化する。

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