観光庁、風評被害防止に指針案

  • 2009年11月28日

リスクマネジメント検討会(20日)

リスクマネジメント検討会(20日)

 新型インフルエンザの発生を契機として、国内で発生する感染症への観光産業の危機管理を議論してきた観光庁の検討会は20日、風評被害の対策マニュアルの素案をまとめた。感染症の発生段階に合わせ、観光事業者や地域・業界の団体がとるべき対策に指針を示した。発生に備えた事前の対策組織の態勢づくり、旅行者に安心感を与える情報発信の工夫などを重視している。12月下旬に最終版を公表し、産業界や地域で活用してもらう。

 新型インフルエンザの発生に伴い今年5月以降、国内各地で旅行キャンセルが多発したことを踏まえ、観光団体の担当者や保険会社の危機管理の専門家でつくるリスクマネジメント検討会(座長=坂元章・お茶の水女子大学大学院教授)が8月から、3回にわたって議論してきた。

 風評被害の対策マニュアル案では、感染症の発生前の「平時」、感染症が発生し観光産業に影響を及ぼす「発生初期」、観光需要の回復を目指す「需要創造期」に分けて対策をまとめている。

 平時の対策では、業界団体や地域の観光協会、個々の観光事業者が、個別または連携して設置する対策組織の態勢や役割分担を準備しておく必要性を指摘。正確な情報の発信、収集に向け、普段からマスコミやPRの専門家、医療機関などとの協力関係を構築しておく重要性にも触れた。

 発生初期の対策は、需要の落ち込みを最小限に抑える工夫が課題。過度に旅行を控える風評被害は消費者の情報不足と過剰反応から生じるとして、旅行者に安心感を与える情報発信のポイントを紹介。国や地方自治体に準じた正確、迅速な情報提供はもとより、感染防止への取り組みや地域の医療体制など具体的な内容を旅行者に提示することなどを挙げた。

 需要創造期の対策では観光需要を早期に回復させ、さらに新たな需要創出につなげることを目的にした。地方自治体の安心宣言、感染者数の減少を示すデータなど、旅行者が安全性を確信できるような情報発信を重視。各種媒体を駆使し、関係機関が足並みをそろえて発信する必要性を指摘した。

 需要創造に向けた誘客促進事業の展開としては、メディアへの露出やキャンペーンなどの過去の成功事例を盛り込む予定。新型インフルエンザに際しては、新幹線に乗り込む修学旅行生を報じたニュースが旅行再開の機運を高めた事例のほか、「まん延しない」と「万円しない」をかけた9999円の限定宿泊プランを出した温泉旅館の事例などがある。話題性、独自性のある試みやさらなる接客の向上でリピーターづくりにつなげるよう提言している。

 また、訪日外国人旅行者への情報発信については、日本政府観光局(JNTO)などを通じ、最新情報を外国語で提供するように求めている。

リスクマネジメント検討会(20日)
リスクマネジメント検討会(20日)

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