観光庁、女性の活躍を促進 ホテルへの就業で実証実験


女性の活躍について推進策を考える有識者検討会の初会合

検討会設置 人材育成、環境整備探る

 観光庁は、育児などで就業に空白期間がある女性やキャリアアップを目指す女性の就職を支援する実証事業「観光業でキャリア再発進プロジェクト」を開始する。女性人材と東京都内のホテル業のマッチングイベントを11月に開催。女性、ホテルそれぞれに対し、就業、雇用を円滑化する講座も開く。人材育成や就業環境の整備を進め、観光分野での女性の活躍を推進したい考えだ。

 女性をはじめとする多様な人材の活躍の必要性は、今年6月に開催されたG20(主要20カ国・地域)大阪サミットでも取り上げられた。首脳宣言では、「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」が社会、経済の持続的な成長に不可欠とされ、観光産業に触れた部分にも、女性などの質の高い雇用、起業の創出の重要性が記述された。

 日本の観光分野では、宿泊業などを中心に就業者数に占める女性の割合は他の産業に比べて高い。深刻な人手不足を背景に女性の就業への期待は大きいが、女性のマネジメント層への進出は不十分とされ、働きやすい環境の整備、キャリアアップの仕組みなどが課題とされている。

 観光庁の実証事業は、育児や介護などで就業に空白期間がある女性や新たな職場でキャリアアップを目指す女性を募集して実施。多様な人材の確保に向けて女性を採用したい東京都内のホテルも募集する。参加女性には、1回2~4時間の講座を計3回受講してもらい、ホテル業界の概要や業務の知識を習得し、就職活動スキルやキャリア構築の意識を形成してもらう。

 参加女性とホテルのマッチングイベントを東京都内で開き、20件程度の就職・採用事例の創出を目指す。参加ホテルの担当者に対しては、女性が活躍しやすい環境づくりに向けて半日程度の講座を実施し、就業する女性の配置先の上司などをメンター(助言者)として育成する。実証事業を通じて女性の活躍を促進するためのポイントなどを抽出し、観光産業全体に取り組みを促していく。

 観光庁は実証事業と並行して、有識者を委員とする「観光分野における女性活躍推進に向けた検討会」を立ち上げた。女性の就業、雇用に関する現状や課題を整理し、今年度中に課題の解決方策などをまとめる。

 19日に開いた検討会の初会合で、観光庁の髙科淳国際観光部長は「観光分野での女性の雇用は着実に増加している一方、その能力を存分に発揮するには、働く環境や人材育成などに課題がある。企業が働きやすい環境を整え、管理職への登用を含めた人材育成を進めることを通じ、職場のダイバーシティ(多様性)の向上とともに、質の高い観光サービスが生み出されることが期待される」と述べた。
検討会の委員は次の通り(敬称略)。

 座長=矢ヶ崎紀子(東京女子大学現代教養学部国際社会学科コミュニティ構想専攻教授)

 委員=市川のぞみ(パレスホテルヒューマンリソース部人事課人事スーパーバイザー)▽岩本裕美(日本観光振興協会観光地域づくり・人材育成部門DMO推進部長)▽加藤遼(パソナグループ成長戦略本部ソーシャルイノベーション担当部長・パソナJOBHUB事業統括部長兼旅するようにはたらく部長)▽櫻田あすか(サービス・ツーリズム産業労働組合連合会副事務局長)▽田瀬和夫(SDGパートナーズ代表取締役CEO)▽富澤慶太(帝国ホテル人事部労務課労務支配人)▽森下晶美(東洋大学国際観光学部国際観光学科教授)▽山本綾子(日本旅行国際旅行事業本部公務法人営業部副部長・LADY JATA委員長)

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