観光庁、大学で経営マネジメントモデル事業実施


観光庁と大学との懇談会(16日)

観光庁と大学との懇談会(16日)

 観光庁は、観光産業を支える人材の育成に向け、大学の協力を得て観光経営マネジメント研修モデル事業を実施する。観光系大学などから観光産業の経営マネジメント層を輩出する狙いで観光庁が作成したカリキュラムモデル案を基に講座を開講してもらい、その課題などを検証する。近く参加大学を募集する予定。

 観光庁が設置している「観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」では、観光系大学の卒業生が観光産業に就職する割合の低さ、大学が輩出する人材と企業が求める人材の不一致といった課題を検討。ワーキンググループ(WG)を設け、今年4月、経営マネジメント層の育成にテーマを絞ったカリキュラムモデル案を作成した。

 カリキュラムモデル案は、WGメンバーの観光系大学の教授、旅行会社や旅館・ホテルの人事担当者などの意見を基に作成。欧米の観光系大学が採用している教育内容なども参考にした。人文科学や地域振興、接遇者育成などを主眼とするカリキュラムとの差別化を図り、経営戦略や財務・会計、人事・組織管理などの科目に重点を置いた。

 新たに実施する観光経営マネジメント研修モデル事業では、カリキュラムモデル案に基づく科目を開講する大学を公募。講座は集中講義などさまざまな形態を想定している。講師の派遣、教材などの費用を補助。受講者は大学生と社会人。社会人教育についても重視しており、観光産業の従事者が受講できるような講座も期待している。

 募集は6大学程度を予定する。1校当たりの補助金は100万円前後となる見込み。7月中旬までに募集を開始し、協力大学を決定。9月ごろから講座をスタートしてもらう予定だ。

人材育成の課題 産学官で共有へ 大学学長らと懇談会
 観光庁は16日、東京・港区の三田共用会議所で、観光関係学部・学科を設置している38大学の学長、学部長らを招き、人材育成に関する懇談会を開いた。文部科学省などの関係省庁、観光関係団体のトップも参加。観光産業を支える人材の育成に向けた問題意識を産学官で共有し、観光立国の実現に連携して取り組んでいく必要性などを確認した。

 観光庁の本保芳明長官は「観光学部・学科は急増したが、これからは(教育内容や輩出する人材の)質を問われる。産業界は大学に求める人材像を具体化できておらず、観光系大学には産業界の声を吸い上げる仕組みがない。産学官が歩み寄って共通認識を持ち、具体的な成果が上がるようにしたい」と述べた。

 観光庁からは、人材育成への施策を担当している観光資源課が、観光関係企業と大学との間を結ぶインターンシップモデル事業、カリキュラムモデル案の作成などの取り組みについて説明。大学からの活動紹介も行われた。

 また、米国セントラルフロリダ大学ローゼン・ホスピタリティ経営学部の原忠之准教授が、海外の観光系大学の教育内容などをテーマに講演した。

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