観光庁、「県民割」地域ブロック拡大


ワクチン3回接種要件 適用期間はGW前まで

 観光庁は3月25日、国の地域観光事業支援について、都道府県による「県民割」事業の誘客範囲拡大に関する運用変更を発表した。隣接する都道府県に加え、4月1日から誘客範囲に地方単位の地域ブロックを追加する。ワクチンの3回目接種歴、または検査の陰性証明が利用条件。地域ブロックは地方ごとに六つのエリアに分けた。期間はゴールデンウイーク(GW)前の4月28日宿泊分までに設定した。

 新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の全面解除に伴う、政府の観光需要喚起策の一環。都道府県が国費で実施する「県民割」事業は、昨年11月19日以降、隣接都道府県からの誘客が可能になったが、誘客範囲に地域ブロックを追加する。4月1日以降、出発地の都道府県の合意を前提として、順次、誘客が可能になる。

 地域ブロックの具体的なエリア設定は、北海道・東北(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の7道県)▽関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の8都県)▽北陸信越・中部(新潟、富山、石川、長野、福井、岐阜、静岡、愛知、三重の9県)▽近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の6県)▽中国・四国(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)▽九州・沖縄(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県)。

 旅行者が割引を受けるには、ワクチン3回目の接種歴か、検査の陰性証明が必要だが、12歳未満は保護者同伴を条件に検査は不要。ただし、居住地と同一都道府県内の旅行の場合は、知事の判断で、これまで通り、2回のワクチン接種歴または検査の陰性証明で割引の適用を可能とする。

 感染状況に応じた事業の停止基準については、緊急事態宣言措置の対象となった場合と、感染状況がレベル3相当以上と知事が判断した場合は停止。まん延防止等重点措置の対象となった場合は、措置区域に限定して補助を停止する。

 観光庁は、「県民割」支援の地域ブロック拡大に際し、地域、旅行者双方の安全、安心の確保を改めて要請。観光事業者などに対しては感染予防のガイドラインの順守、旅行者にはマスク着用や健康チェックなどの「新しい旅のエチケット」の励行を改めて呼び掛けている。

 国費による「県民割」支援は、全国規模のGo Toトラベル事業の停止に伴って昨年4月に打ち出された。期間の延長や運用の変更を経て継続されている。割引支援の内容には変更がなく、宿泊旅行の場合、1人泊当たり5千円、代金の50%を上限に支援。加えて、地域の土産物店、飲食店、公共交通機関などで使用可能なクーポン券は1人泊当たり2千円を上限に支援する。

 一方で、全国規模のGo Toトラベル事業の再開について政府は、感染状況などを踏まえて慎重に判断する方針。当初のスケジュールでは、国を事業主体として1月下旬にも開始し、GW前まで実施した後、GW後から夏の繁忙期前までは都道府県を事業主体としたGo Toトラベルを実施する計画だった。今後、どのような形でGo Toトラベル事業が再開されるかは未定だ。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒