観光バス、高品質で勝負


「ロイヤルクルーザー四季の華−海」の車内

「ロイヤルクルーザー四季の華−海」の車内

 ツアー代金は高いものの、消費者のニーズをつかみ利用者を伸ばしている高品質バス旅行。上質なバス旅を催行する各社はこの秋、好調を追い風に、車内空間やサービスに工夫を重ねたバスのラインアップを充実させる。旅行参加者の満足度や快適性を高めることで、さらなる需要獲得を図る。

 クラブツーリズムは1日、同社の高品質バス旅ブランド「四季の華」に、新型の特別仕様バス「ロイヤルクルーザー四季の華−海」を投入した。1列3席とすることで座席幅を大きくしゆったりとした空間を確保したほか、皮張り座席を採用し上質感を高めた。また観光バスとしては初めてロールカーテンを採用。「カーテンがバスの大きな窓からの景観を邪魔しないようにした」(同社四季の華倶楽部支店、大沢千夏販売課長)。入れたてコーヒーのサービスをするためのスペースを座席後方に据えてカーテンで仕切れるようにし、作業が利用者の目に触れないようにするなどの工夫もした。

 従来車両と同じく、座席ごとのフットレスト、ヘッドレストを備えるほか、個人用ヘッドフォンの貸し出しなどのサービスも行う。

 四季の華はバス4台体制となることで、新たに千葉、神奈川発着コースを始める。首都圏の利用者の利便性を高めるのが狙いだ。

 新型車導入に先立ち9月29日に開いた試乗会で中戸宏・同社国内旅行部長は、「お客さまの要望を反映し、四季の華−海ができたが、完結形ではない。今後もバス旅の最高ブランドとしての実績を積み上げていく」と強調したほか、首都圏以外での四季の華催行への意欲を示した。同社は非日常の空間を演出するバス旅を提供することで、従来とは異なる新たなコンセプトのバス旅行を広げたい考えだ。

 四季の華は07年10月から催行し、日帰りコースも含め現在約80コースを展開。宿泊商品の旅行代金は5万〜30万円ほどと高額だが、開始から1年の送客実績は「1万人と好調」(松本重樹・同社四季の華倶楽部支店長)。需要にこたえるため、増車を急いでいた。

 バス増車により、1年で送客1万5千〜2万人、販売額6億円を目指す。

 大手百貨店の三越が06年9月から展開する高品質バスツアー「三越オリジナルバスツアー」では、同社オリジナルバスを使用しているが、10月から専用バスをリニューアル。席数を通常の45席から32席に減らして空間にゆとりを持たせたほか、フットレスト、ヘッドレストを付けた大きめの座席や化粧室を備えて利用者の快適性を高め、同社のバスツアーの一層の品質向上を図る。

 三越はシェル型シートを備えた10人乗りの特別バス「プレミアムクルーザー」を使ったツアーも4月から催行しているが、現在発売する10月までの1泊2日型商品約20コースは、「いずれもすでに満席と好調」(同社広報)。口コミを中心に人気が高まっており、首都圏周辺での宿泊商品だけでなく6日間程度かけて東北を回るツアーなど、発売当初よりも商品ラインアップを厚くしている。

 クラブツーリズムや三越のツアーで利用されているバスを納入する日野自動車によると、革張りシートや席数を減らして座席周辺の空間を広く取るなどした「こだわりのバス」は「車体価格が高額なためか、成約に至ったケースはわずか」(同社広報)。しかし問い合わせも何件か来ているという。

 ツアー商品自体とあわせて、高品質バス自体も今後さらに注目を集めそうだ。

「手間いらず」に温ぱら九州追加プラスアルファ
 プラスアルファは9月30日、宿泊予約サイト一元管理システム「手間いらず!」の対応サイトに「温泉ぱらだいす九州」を加えた。手間いらずの対応サイト数はこれで21になった。

「ロイヤルクルーザー四季の華−海」の車内
「ロイヤルクルーザー四季の華−海」の車内
 
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