被災3県企業の売上高、震災前水準に回復


 帝国データバンクはこのほど、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)に本社を置く企業について、初の業績動向調査を行った。2008〜2012年度の業績が判明している5万2002社の2012年度の売上高合計は前年度比7.3%増で、震災前を上回る水準に回復した。ただ、福島県のみでは2008年度の業績を下回っており、ほかの2県に比べて回復スピードが遅れている。「業績回復に地域格差が広がっている」と同社では指摘している。

 2012年度の3県の売上高合計は26兆6440億円。前年度の24兆8311億円から7.3%増加した。

 このうち岩手県は同6.2%増の4兆6154億円、宮城県は同9.2%増の13兆4478億円と、ともに増加。ただ、福島県は同5.0%増の8兆5808億円にとどまり、2008年度比では岩手の1.8%増、宮城の4.7%増に対して0.1%減と唯一減少している。

 「被災企業では、復興支援の各種助成金制度を活用し、工場の修繕や新規事業への参入を図る企業もあった。特に、復興の拠点となっている宮城県は(中略)、復興応援消費の高まりで食品製造.加工、小売、飲食、ホテルなど多くの企業が恩恵を受けた」(帝国データバンク)。

 一方で「福島県は原発事故の影響が色濃く残っており(中略)、警戒区域となった企業や、風評被害で業績回復のメドが立たない企業なども散見された」(同)。

 売上高を業種別にみると、3県ともに建設業、小売業、サービス業が総じて増収となった。半面、製造業は宮城を除いて2008年の水準を下回る状況が続いている。特に福島は原発事故で移転や廃業を余儀なくされたほか、社員が県外に転居し、機械を動かせる社員を確保できなくなったなどの影響を受けて落ち込みが目立っている。

 
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