2位別府八湯、3位指宿
旅行会社やＯＴＡ（オンライン・トラベル・エージェント）が選ぶ人気温泉地ランキング「第33回にっぽんの温泉100選」（主催＝観光経済新聞社）は、草津温泉（群馬県）が1位。2003年の第17回から17年連続で王者の椅子に座った。2位は前回と同じ別府八湯（大分県）。指宿温泉（鹿児島県）が前回の4位から上昇し3位に。温泉100選と同時に実施された19年度「人気温泉旅館ホテル250選」も決まった。
後援（申請中含む）は観光庁、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、公益財団法人日本交通公社の9行政・団体。観光経済新聞社と後援団体の代表メンバーで構成される実行委員会が2日、審査会を開き、決定した。にっぽんの温泉100選と人気温泉旅館ホテル250選は、主要な国内観光団体が審査しており、まさに“観光業界が認めた人気の温泉地、宿泊施設”だ。
にっぽんの温泉100選は、旅行のプロである旅行会社やＯＴＡの投票によって人気の温泉地を選んでもらい、どのような温泉地が旅行者に支持されているのかを探るのが目的だ。全国各地の温泉地が100選の上位を目指し、地域の魅力に磨きを掛ける効果も狙いとしている。
投票方法はＪＴＢやＫＮＴ―ＣＴホールディングス、日本旅行をはじめとする大手・中堅の旅行会社や、じゃらんｎｅｔ、楽天トラベルなどのＯＴＡに投票用はがきを配布し、投票を呼び掛けた。7月1日から10月末までの投票期間に集まった有効投票はがき数は7408枚。1枚のはがきに5カ所までの温泉地を記入できるため、総投票数は2万582票となった。
1位の草津温泉は、「日本三名泉」の一つで抜群の知名度を誇る。「泉質主義」をアピールしているが、100選でも、温泉の質の良さが特に評価され、票を集めた。
「別府」「浜脇」「鉄輪」など別府市内の8温泉でつくられる別府八湯。各温泉で泉質や雰囲気が異なるため、さまざまな魅力が楽しめる。指宿温泉は、砂の中に体を埋める「砂むし温泉」が評判だ。
4位は前回の6位から上昇した有馬温泉（兵庫県）。道後温泉（愛媛県）は5位を維持した。第31回2位、第32回3位とトップ3の一角を占めていた下呂温泉（岐阜県）だったが、今回は6位に転落した。
8ランクアップの9位と大きく上昇したのが箱根温泉（神奈川県）だ。前回まで箱根湯本温泉、強羅温泉などを個別に集計していたが、今回、地元の観光協会や旅館組合の意見も聞き、「箱根十七湯」をすべて「箱根温泉」として票を集計した影響が表れている。
箱根十七湯とは、湯ノ花沢温泉、湯本温泉、姥子温泉、底倉温泉、蛸川温泉、塔之沢温泉、仙石原温泉、大平台温泉、二ノ平温泉、宮ノ下温泉、宮城野温泉、小涌谷温泉、木賀温泉、堂ヶ島温泉、芦之湯温泉、強羅温泉、芦ノ湖温泉の17温泉。
地域活性化に努めている温泉地や宿泊施設などを称える「実行委員会特別賞」には、佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター（佐賀県嬉野市）が選ばれた。審査会では「障がい者、高齢者も安心、安全に温浴を楽しめるサポート体制を整備し、持続可能な温泉地づくりに貢献した」と評価され、満場一致で決まった。
人気温泉旅館ホテル250選では、同じ企業グループの宿泊施設が1温泉地内で2軒以上、入選基準を満たす票を集めた場合、その宿泊施設をすべて合わせて「1選」としている。このため今回は268軒が入選した。
5回以上の入選を果たすと優秀な旅館・ホテルと認め、「5つ星の宿」の称号を贈っている。今回は238軒が該当する。
19年度の250選入選旅館・ホテルに対しては、認定証の授与式を来年1月17日に東京の浅草ビューホテルで開く。
◎にっぽんの温泉100選実行委員会メンバー（順不同）＝佐藤英之・日本旅館協会専務理事▽清澤正人・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会専務理事▽関豊・日本温泉協会専務理事▽高井晴彦・日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部長▽若井茂・全国旅行業協会事務局長▽久保田穣・日本観光振興協会副理事長▽渡辺厚・日本政府観光局地域連携部長▽岩崎比奈子・公益財団法人日本交通公社観光地域研究部上席主任研究員▽積田朋子・観光経済新聞社社長
「100選」「250選」を承認した実行委員による審査会（2日、観光経済新聞社会議室）
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