群馬・伊香保温泉の福一が富裕層向け旅館オープン


スパ施設のトリートメントルーム

スパ施設のトリートメントルーム

 群馬県・伊香保温泉の老舗旅館、福一(福田朋英社長、客室数83)はこのほど、施設の一部をリニューアルし、富裕層をターゲットにした新たな高級旅館ブランドとして「奥伊香保 旅邸 諧暢楼」(客室数8)をオープンさせた。また、シンガポール発祥のスパ・ブランドを導入、日本旅館に合わせた「和」のトリートメントにアレンジした高級スパ施設「セント・グレゴリー・スパ・イカホ」を開設。両施設のオープンを通じて付加価値の高いサービスの提供を強化する。

 福一が新たに展開する諧暢楼は、1泊2食付きで1人7万8750円〜15万7500円に設定し、国内外の富裕層を狙う。早くも今年の年末に長期滞在の予約が入っているという。

 諧暢楼は、同館が明治初期に使っていた屋号に由来。コンセプトは、その屋号が意味する「やわらぎ」「のびやかさ」。約6億円をかけて整備した。

 客室の広さは、50平方メートルと100平方メートルのタイプがある。全客室に露天風呂か半露天風呂を設けたほか、希少な羽毛のアイダーダウンを使った寝具をはじめ、室内の備品も高級感を追求した。

 エントランスやフロント、食事処などは、福一と別に設けたほか、専属のスタッフや調理師も配置、こだわりのサービスを提供し、宿泊客の満足度を高める。 

 19日に本格オープンしたスパ施設は、専門のセラピストがマッサージやアロマなどのトリートメントを提供する。床面積は264平方メートルで、シングル、ツインを含めて5部屋あり、スタンダード、ラグジュアリーなどのタイプに分かれる。サービスメニューは各種あるが、180分で3万6千円という贅沢なコースもある。

 セント・グレゴリー・スパは、シンガポール、マレーシアに5店舗、日本では千葉県舞浜の複合商業施設「イクスピアリ」内などすでに5店舗あるが、和のコンセプトを導入した展開は福一が初めて。部屋の設計やインテリアだけでなく、米糠や酒粕を使ったオリジナルのメニューを提案する。

 スパの運営は、日本国内の他店舗も手がけているエイチフォース(東京都中央区)が担っている。福一の宿泊客以外の利用も可能。利用人数は1カ月当たり200人を見込んでいる。

 福一の福田社長は「諧暢楼とスパを通じて、本物のリラグゼーションをお客さまに提供する。宿泊、食事、スパが相乗効果を発揮するようにしたい」と語ったほか、「地域としても新たな不価値の提案により、単価のアップ、新規客層の獲得が必要になっている。伊香保全体の底上げにつながるよう成功させたい」と意欲を示した。

スパ施設のトリートメントルーム
スパ施設のトリートメントルーム
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒