節約ムード拡大、宿泊客数も減少 リョケン調べ


 コンサルタントのリョケン(本社=静岡県熱海市)が今年7月、全国の旅館・ホテルに行った短期観測アンケートによると、今春の宿泊客数実績が前年比で「減少傾向」とする施設は47.9%で、前年比7.9ポイント増加、「増加傾向」とする施設は23.5%で、同16.5ポイントと大幅に減少した。諸物価高騰が一般家庭の消費意欲減退、節約ムードの拡大を招き、宿泊旅行にも影響が出たようだ。

 調査は四半期ごとに実施している。今回は7月6〜22日、全国の旅館・ホテル712軒に行った。回答数は120軒で、回答率16.9%。

 自館の客数が前年実績に比べて「増加傾向」とする施設は回答者全体の23.5%で、前年の40.0%から16.5ポイントの大幅減となった。

 半面、「減少傾向」とする施設は回答者の半数近くの47.9%で、前年の40.0%を7.9ポイント上回った。北海道、東北、四国、九州で減少傾向の回答が目立つ。このほか「横ばい傾向」とする施設は28.6%で、前年の20.0%を8.6ポイント上回った。

 旅館・ホテルが立地する地域全体の客数傾向は、「増加傾向」が6.7%で、前年の13.2%を6.5ポイント下回った。

 対照的に、「減少傾向」は68.3%で、前年の44.7%を23.6ポイント上回る厳しい結果となった。「横ばい傾向」は25.0%で、前年の42.1%を17.1ポイント下回った。

 基本宿泊単価と総宿泊単価は、前年に比べて「上昇傾向」とする施設の割合が減少、「下降傾向」とする施設の割合が増加している。基本宿泊単価を維持しても、館内消費の落ち込みで総消費が伸び悩んだという例がみられた。

 燃油サーチャージの高騰による海外旅行の低迷で、国内旅行への振替需要に期待が持たれたが、結果としては表れていないようだ。物価高騰による消費意欲の減退が、宿泊旅行から日帰りや身近なレジャーへのシフトにつながったものとみられる。

5割前後が客数減 夏休みの見込み
 7月時点で夏休み(7月下旬〜8月末)の客数見込みを聞いたところ、自館は「増加傾向」15.0%、「横ばい傾向」38.3%、「減少傾向」46.7%だった。旅館・ホテルが立地する地域全体では「増加傾向」4.4%、「横ばい傾向」40.7%、「減少傾向」54.9%。旅館・ホテル単独、地域全体の双方で5割前後が客数減との回答だった。

 地区別では「北海道・東北」で減少傾向とする施設が多く、自館で74.1%、地域全体で87.0%となった。東北地方の地震が影響しているとみられる。西日本地区でも客数減少の回答が多くあった。

 
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