東日本大震災と原発事故の教訓を後世に伝えるため、福島県浪江町が震災遺構として整備を進めてきた「町立請戸(うけど)小学校」が10月24日から一般公開された。県内では初めての震災遺構となる。当時の被害状況をなるべく、そのままとどめながら整備されており、災害の脅威を肌で感じることができる。
2階建ての請戸小は海岸から約300メートルに立地しており、津波の影響で2階床付近まで浸水。1階部分は天井や壁がはがれ、机など備品のほとんどが流されたという。
公開された1階部分には、ぼろぼろになった教室の壁や床、泥だらけのオルガン、津波到達時刻から止まったままの時計など、被災の爪痕がそのまま残されている。
2階には映像や資料で震災を伝える展示コーナーのほか、捜索に入った陸上自衛隊員や一時帰宅した住民らのメッセージが書かれた黒板もある。
震災当時は、下校した1年生を除く2年生から6年生の82人と教職員13人が校舎に残っていたが、全員無事だった。
開館時間は9時半~16時半。料金は大人300円、高校生200円、小中学生100円。問い合わせは町教育委員会事務局郷土文化係。TEL0240(34)0263。
1階の職員室。被災の痕跡がそのまま残されている(ふくしま教育旅行メールマガジンから)