島根県や大田市観光協会などで結成する石見銀山交通問題検討委員会は、19日から11月25日までの金、土、日曜日を中心に、石見銀山と周辺観光地の三瓶山、温泉津温泉を結ぶ予約制乗り合いタクシー「ぐるりんタクシー」を試験的に運行する。石見銀山と周辺の観光地をめぐる公共交通は十分に整備されていない。同実証実験で観光客のニーズや運行の採算性を探る。
ぐるりんタクシーは仁摩町経由の「銀山〜温泉津」と「銀山〜三瓶山」の2ルートを設定。民間のタクシー会社2社が交代で運行に携わり、各ルートを1日3往復する。温泉津ルートは銀山の外交として栄えた「沖泊」、仁摩サンドミュージアム」などを巡る。三瓶山ルートは「三瓶小豆原埋没林公園」「島根県立三瓶自然館サヒメル」などを巡る。
料金は銀山〜温泉津までの片道が大人1人1千円。銀山〜三瓶山までの片道が大人1人1500円。
大田市の産業振興部観光担当によると、石見銀山を訪れた9月の観光客の入り込み数は8万5700人。「現状では十分な駐車場がなく、交通のアクセス向上を目指していきたい」と力を込める。今後については「実証実験の結果を見て、民間のタクシーがどこまでやれるのか、行政としての補助ができるのかを検討していきたい」と話している。