石川県の山代温泉は同温泉内に整備される2つの「総湯」の愛称を募集している。主催は加賀市、山代温泉財産区、山代温泉総湯整備委員会。
総湯は、単なる共同浴場ではなく、温泉が本来持っている医療、福祉、観光、歴史、文化、教育などさまざまな要素を満たし、さらに住民同士が交流を持てる「温泉文化コミュニティ施設」として整備される。
約1300年の歴史を誇る山代温泉では、総湯を囲むように旅館や商店が建ち並ぶ「湯の曲輪」という街並みが形成され、温泉の歴史や文化が育まれてきた。
今回整備される総湯の1つは、09年8月1日にオープン予定で、市民や観光客が快適に利用できるよう「人に優しい浴場施設」として、湯の曲輪に面した「旧吉野家旅館」の跡地に建てられる。
もう1つは、11年3月末までの完成を予定しており、情緒あふれる明治時代の総湯を復元する。外観の復元だけでなく、源泉かけ流しによる入浴方法や入浴心得などを学び、体験もできる「体験型温泉博物館」といった施設を目指す。1つ目の総湯の完成後、現在ある総湯「山代温泉浴殿」の建て替えに入る。
愛称の募集期間は10月31日まで。審査委員が2つの総湯それぞれの優秀作品を3点ほど選考し、その中から最優秀作品を1点決定する。最優秀作品、優秀作品の応募者には、新しい山代温泉総湯の年間入浴券を進呈する。
詳しくは、加賀市役所総湯文化再生室(TEL0761・72・7900)。