石川県・白山温泉郷の一里野高原ホテルろあん(山崎太一朗社長)は、長期実践型のインターンシップとして大学生2人を受け入れている。受け入れには、国際的な金融サービスを手掛けるゴールドマンサックスの中小企業経営革新プログラムを活用した。短期間の就業体験にとどまらず、意欲のある大学生に一定の業務権限を与え、経営革新のきっかけにする。
インターンシップ生は、金沢学院大学4年の岡野徹さんと武蔵大学4年の松山未来さん。岡野さんは5〜9月の週末と夏休みに勤務し、キャンプの新形態「グランピング」のプロジェクトリーダーを担当。松山さんは、現在休学中で6〜12月の間、住み込みで勤務し、ソーシャルメディアなどで情報を発信する特任宣伝部長を務めている。
受け入れに活用したゴールドマンサックスのプログラムは、中小企業の経営革新を後押しするプロジェクト。NPO法人のETIC.(エティック、東京都渋谷区)が、意欲ある中小企業と、優秀な学生をコーディネートしてインターンシップを成立させている。
一里野高原ホテルろあんは、5年ほど前から短期のインターンシップを毎年10人ほど受け入れてきたが、一定の権限を与えて長期間受け入れるのは初めて。山崎社長は「インターンシップ生にはのびのびと仕事に取り組んでもらい、経営革新につながるような思い切った意見を期待している。他の社員への刺激にもなる」と話している。
インターンシップ生は、1カ月目はフロントや仲居、清掃など各部署の業務に従事。その上で施設や地域の魅力、業務で気付いたことなどを社員の前で発表。2カ月目から各役職を任せ、中間報告で企画を提案、期間終了時に成果を報告する。
インターンシップ生の松山さん(左)と岡野さん