留学生の就職先拡大 法務省が告示改正


「特定活動」で旅館・ホテルにも

 
 法務省は、外国人留学生の日本国内での就職支援を目的に、出入国管理法に基づく告示を改正し、5月30日に施行した。日本の4年制大学、大学院を卒業、修了した外国人留学生で、日本語能力試験で最もレベルが高い「N1」の合格者などを対象に就職先を拡大。留学で習得した知識や日本語能力などを生かした業務に従事する場合、旅館・ホテル業や飲食業、小売業などの一般的なサービス業務、工場などの製造業務でも、在留資格の「特定活動」を認める。

 短期大学や専修学校の卒業者、海外の大学や大学院の卒業者、修了者は対象外。

 要件の日本語能力試験「N1」の合格の目安は、新聞の論説などを読んで理解でき、会話やニュース、講義を聞き、内容の詳細や要旨を把握できること。今年4月に創設された新たな在留資格「特定技能1号」で必要な水準「N4」は、身近な話題の文章が理解でき、日常的な場面でややゆっくりと話される会話がほぼ理解できるレベルであり、求められる日本語能力が大きく違う。

 旅館・ホテルで通訳、翻訳などの業務で活用されている専門的・技術的分野の在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、一般的なサービス業務や製造業務などが主な活動となるものは認められないが、「特定活動」の在留資格では、要件を満たせば就労が可能になる。就労はフルタイムの直接雇用で、報酬は日本人と同等額以上。

 従事する業務に関してガイドラインでは、指示を受けて自らの作業を行うだけの受動的な業務ではなく、いわゆる翻訳、通訳などの要素のある業務や、コミュニケーションを要する業務であることが要件とされている。

 具体的には、ホテル・旅館に関して「翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業を行うものや、外国人客への通訳(案内)、他の外国人従業員への指導を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの(それに併せて日本人に対する接客を行うことを含む)。客室の清掃にのみ従事することは認められない」と例示されている。

 
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