14回目、全国から33件の応募
環境省は2018年度「エコツーリズム大賞」の大賞に、NPO法人飛騨小坂200滝(岐阜県下呂市)を選んだ。13年度に優秀賞を受賞しており、今回、晴れの大賞に輝いた。表彰式は13日、東京・霞が関の同省で行われた。
エコツーリズム大賞は05年度から実施、今回で14回目となる。全国から33件の応募があり、大賞など10件を決めた。
飛騨小坂200滝は、御嶽山麓に多くある滝の調査や記録を基にコースを設定し、エコツアーを展開。滝をただ眺めるのではなく、五感を通して滝を中心とした自然環境を感じる体験を提供している。
「地域にあるさまざまな資源を掘り出し連携することで『小坂スタイル』のツアーを提唱し、地域振興に貢献している」(同省)ことが高く評価された。
優秀賞は、NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会(青森県十和田市)▽下呂市エコツーリズム推進協議会▽有限会社屋久島野外活動総合センター(鹿児島県屋久島町)が受賞。
奥入瀬自然観光資源研究会は、奥入瀬渓流を天然の自然博物館(フィールドミュージアム)に見立て、「立ち止まるから、見えてくる」をコンセプトに、苔に注目した観察エコツアーなどを実施。継続的なモニタリング調査と、それを基に企画したツアーや観察会を行い、奥入瀬の自然をじっくり楽しむエコツーリズムを実践している。
下呂市エコツーリズム推進協議会は、「温泉地宿泊周遊型広域エコツーリズムの拠点作り」を目指し、下呂温泉や国民保養温泉地に指定されている飛騨小坂温泉郷など、市内の旧5町村(小坂町、萩原町、下呂町、馬瀬村、金山町)における連携活動の中心的役割を果たしている。
特別賞にはNPO法人有珠山周辺地域ジオパーク友の会(北海道壮瞥町)▽八幡平リゾート自然ガイドステーション(岩手県八幡平市)▽八丈島自然ガイドサービス椎“しいのき”(東京都八丈島)▽一般社団法人エコロジック(静岡県富士宮市)▽エコツーリズム協会しが(滋賀県大津市)が選ばれた。
このうち、八幡平は「ガイドのいるホテル」として営業している八幡平マウンテンホテル内に設置されたコンシェルジュデスクが、訪れる観光客や宿泊客にトレッキングプログラムやレクチャーなどを提供、便宜を図っている。
このほか、特別継続賞として、認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト(北海道浜中町)が受賞。同法人はこれまで、特別賞や優秀賞、大賞などを受賞している。
飛騨小坂200滝のエコツアーは滝を生かした体験型が魅力