国際交流さらに推進
2019年の日本人の海外旅行者数が年間で初めて2千万人を超えたこと踏まえ、観光庁、日本旅行業協会(JATA)主催の祝賀会が1月27日、国土交通省会議室で開かれた。旅行会社や観光団体、海外政府観光局などから約300人が参加し、さらなるアウトバウンドの促進、国際交流の拡大を誓い合った。
あいさつで観光庁の田端浩長官は「日本の方々が多くの外国を訪れることは国際交流、政府の外交の上でとても重要だ。今年も空港の発着枠の拡大などアウトバウンドに好材料が多いので、新しいデスティネーションを含めて魅力ある旅行商品を作ってもらいたい。さらにアウトバウンドを飛躍させたい」と述べた。
JATAの田川博己会長は、1964年の海外旅行自由化以降のアウトバウンドの歴史を振り返るとともに、JATAによる海外旅行の需要喚起事業「ビジット・ワールド・キャンペーン」や20歳の若者に海外体験を提供するプロジェクト「ハタチの一歩」などの成果にも触れ、参加者と2千万人突破の喜びを分かち合った。
田川会長は「アウトバウンド、インバウンドの合計は年間5千万人を超えている。インバウンドの目標4千万人を必ず達成するとともに、アウトバウンドの訪問国のマルチ化を一層推進し、本年を双方向で世界のさまざまな国と交流を深める『交流新時代の幕開け』の年にしよう」と呼び掛けた。
航空会社や関係団体の代表、駐日大使などのあいさつに続き、御法川信英国土交通副大臣が乾杯の音頭をとった。
19年の海外旅行者数は、日本政府観光局(JNTO)が発表した推計値で前年比5.9%増の2008万1千人を記録した。これまでの最高値は、18年の1895万4千人。19年は、10連休のゴールデンウイークなどで4月が前年同月比22.8%増となるなど好調に推移した。
政府が17年3月に閣議決定した観光立国推進基本計画には、2020年までに日本人海外旅行者数を2千万人にする目標が掲げられており、1年前倒しでの目標達成となった。
記念撮影に応じる観光庁の田端長官(左)とJATAの田川会長
国交省で開かれた祝賀会