河口湖温泉旅組で「外国人労働者に関するヒアリング会」開催


ヒアリング会の様子

「必用不可欠」「特定技能分からない」

参加10軒中9軒が雇用

 今年から外国人の就労を拡大する新たな在留資格「特定技能」の制度が創設されるなど、外国人材の雇用の活性化が期待されている。観光経済新聞社は、雇用の現状を調査するため、19日に山梨県・河口湖温泉旅館協同組合の協力のもと「外国人労働者に関するヒアリング会」を同組合の事務所で開催。外国人雇用の実情や課題などを聞いた。

 ヒアリング会には河口湖温泉旅館協同組合から10軒が参加。10軒のうち9軒が外国人を採用し、平均2~3人雇用している。採用には、各自が独自のルートを使用し、高度人材、インターンシップ、ワーキングホリデーなどの制度を使い雇用している。また、最大で10人雇っている旅館もある。外国人労働者は必要不可欠であり、活躍の場としては、フロントなど接客、電話応対、清掃、配膳、調理補助などが挙がった。また、特定技能については、情報が少なく制度内容が分からないとの声が多く上がった。

 その他、質問に対する回答は次の通り。

 ――雇用している外国人の国籍は。

 「ベトナム、台湾、ネパール、ミャンマー、モンゴル、インド、インドネシア、タイ、フィリピン、ウズベキスタン、サウジアラビアなど」

 ――雇った経緯は。

 「知り合いからの紹介」「営業を受けた業者」

 ――面接はどこで。

 「河口湖で。来るとやる気を感じる」「スカイプを使用して」

 ――雇わない理由は。

 「業者の信頼度が疑問」「紹介費用が高い」

 ――特定技能の活用について。

 「制度そのものがよく分からない」「深く考えていない」「N4、N5の人が来ても即戦力になるとは考えられない」

 ――外国人紹介業者、派遣業者、支援機関に求める条件は。

 「ものすごい数の業者が売り込みに来ている。業者の信頼度が大事になる」「政府などお墨付きがある業者なら使用してみたい」「雇用にかかる負担は、月給1カ月から1カ月半までなら検討」

 ――外国人採用の失敗談などあれば。

 「いい人がいると聞いて雇ったが、日本語がさっぱりできなかった」「賃金以外のランニングコストは負担になる」

 ――外国人を採用して良かったことは。

 「平均年齢が下がった」「フロントの見映えが良くなった」「外国語のホームページや電話対応が可能となった」

 ――求める能力は。

 「母国語に加え、日本語、英語ができると即戦力だ」

 ――実際に人材不足なのか。

 「少子高齢化、過疎化が進み、若い人材はいない」「新しい外資の宿や国内の大手が宿の建設ラッシュで人手の取り合いになっている」「人手はまだ足りない」「旅館以上にリネン業者の人手不足が深刻で心配している」

 ※ヒアリング会参加協力旅館(順不同)=風のテラスKUKUNA、湖楽おんやど富士吟景、ホテル美富士園、湖のホテル、時悠々楽游、湖南荘、河口湖パークホテル、大池ホテル、ロイヤルホテル河口湖、サニーデリゾート湖畔別邸千一景

【長木利通】

ヒアリング会の様子

 
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