民泊届け出は724件、相談増も低調


 住宅宿泊事業法(民泊新法)の6月15日の施行日まで約3週間となった。観光庁によると、5月11日現在の全国の民泊(住宅宿泊)事業者の届け出提出件数は724件(受理済みは152件)。施行を控えて政府の民泊制度コールセンターや自治体への問い合わせは増加しているが、大手民泊仲介サイトへの登録部屋数が国内で6万件以上という状況からすると、届け出の提出件数は低調だ。

 民泊の都道府県などへの届け出提出件数は、観光庁が前回公表した4月13日時点の232件に比べて492件の増加となった。

 届け出提出件数が多い上位の自治体(都道府県、保健所設置市、特別区)を見ると、(1)札幌市65件(2)北海道44件(3)千葉県31件(4)渋谷区30件(5)沖縄県28件(6)福岡県25件(7)大阪府19件(8)埼玉県、台東区(同数)18件(10)大阪市、新宿区(同数)17件。

 大都市部では、東京都が23区合計で186件となっている。大阪府は、大阪府19件、大阪市17件、堺市4件、枚方市3件、八尾市0件の合計で43件。京都府は、京都府4件、京都市6件の合計10件にとどまっている。

 現時点での届け出提出件数は低調だが、問い合わせや相談は増加傾向にある。政府の民泊制度コールセンターへの問い合わせは5月に入って増加し、1日平均85件、平日は平均120件に上るという。内容は届け出などに関する質問が約半数を占める。自治体でも、京都市の18日の発表によると、民泊の届け出窓口を設置した3月15日以降、電話、窓口を含めて問い合わせ、相談は延べ1575件で、1日平均40件に上っている。

 民泊の届け出提出状況について、観光庁の田村明比古長官は17日の専門紙向け会見で、「仮に違法民泊をしている人は、今うかつに届け出ると、指導を受ける可能性があると考えているかもしれない。申請の書類を準備中の人もいるだろう。5月に入って問い合わせが増えているし、6月15日以降に多くの届け出が出てくる可能性もあるので、推移を見ていきたい」と述べた。

 民泊新法に基づく民泊の届け出の一方で、一部の民泊物件は、旅館業法の簡易宿所の許可を取得しようとする動きがあるようだ。観光庁によると、正確な数字は把握していないが、京都などでは、旅館業法の簡易宿所の許可申請が増加。大阪では特区民泊の申請件数が増えているという。

 ただ、大手民泊仲介サイトの登録部屋数が6万件以上という水準からすると、現状の千件に満たない届け出状況は、一部の民泊が違法な状態のままヤミで存続することを懸念させる。政府は21日、違法民泊対策関係省庁連絡会議を初開催し、取り締まりの徹底に乗り出した。観光庁は、民泊新法に基づき、違法な物件の民泊仲介サイトへの掲載を禁止している規定などの周知に努めている。

 民泊事業者のほか、5月11日現在、民泊の管理を受託する住宅宿泊管理業の登録申請件数は512件(4月13日時点比228件増)、仲介サイトなどを運営する住宅宿泊仲介業の登録申請件数が33件(同11件増)となっている。

 
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