住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を控え、民泊仲介サイトなどを運営する住宅宿泊仲介業者が、業界団体の設立を検討している。5月23日には、大手6社が集まり、準備会合を初めて開催した。違法民泊の排除など民泊市場の健全な形成などを目的に立ち上げを議論。設立の趣旨には一定の賛同が得られたが、正式決定には至らなかった。民泊新法が施行される6月15日の前後に設立の可否を決め、早期の発足を目指す。
準備会合には、楽天LIFULL STAY(ライフルステイ)、百戦練磨に加えて、米国や中国を本拠地とする民泊仲介サイトの日本法人、日本支社、本社から、Airbnb Japan(エアビーアンドビー・ジャパン)、HomeAway(ホームアウェイ)日本支社、日本途家、自在客のトップが出席した。
主な検討事項として、団体の名称について「住宅宿泊仲介業者適正化協会」を仮称としているが、一般社団法人など法人格の取得を含めて今後検討する。会員は民泊仲介サイトなどを運営する仲介業者、旅行業者を構成員とし、民泊関連の事業者を賛助会員にする案が挙がっている。
団体の目的は、民泊事業の適正化、健全な市場の形成、民泊の安全・安心確保などを軸に検討する。具体的な活動の案としては、広報・啓発活動、適正化への研修の開催、違法民泊への対応、政策提言活動などを掲げている。
業界団体の設立については、百戦練磨が3月15日、立ち上げに向けた指導、協力を観光庁に文書で要請。観光庁が準備会合として意見交換の場を設け、住宅宿泊仲介業への登録を進めている大手事業者に参加を打診して実現した。準備会合には、観光庁の担当幹部も同席し、オブザーバーとして日本旅行業協会、全国旅行業協会の事務局長が出席した。
準備会合後、報道関係者の取材に応じた百戦練磨の上山康博社長は「民泊の一番の問題はヤミ民泊。6月15日を契機に、民泊市場を正常化していきたい。仲介業者の法令順守への決意表明の意味を含めて、団体の設立に取り組んでいきたい」と意欲を示した。