楽天トラベル、事後決裁のキャンセル料の自動引き落とし可能に


 楽天トラベルは宿泊施設の事後(宿泊後)オンラインカード決済でもキャンセル料を自動引き落としできるようシステムを改修し、9月末にも稼働を始める。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)など旅館団体が求めていたもので、楽天が旅館側の要望を受け入れた。今後も稼働後の状況をみて、さらなる改善点がないか、両者で話し合いを継続する予定だ。

 楽天トラベルの事後オンラインカード決済は4月4日に開始。「日本の消費者は宿泊前より宿泊後の決済の方が安心する傾向が強い」と、従来の事前オンラインカード決済や宿泊施設での現地払いに加え、新たに導入した。

 ただ、事前オンラインカード決済で可能だったキャンセル料のクレジットカードでの自動引き落としは、事後カード決済では行えず、旅館・ホテルが宿泊客に直接請求することになっていた。

 これについて旅館・ホテル側は「顧客からキャンセル料を徴収するのは、費用対効果から事実上困難。長期的視点で、宿泊施設は大きな被害を受ける」と反発。

 またサイトの顧客向け説明画面でキャンセル料が自動引き落としできないことを強調しているとして、「本来、支払われるべきキャンセル料の不払いを助長するもの」と異を唱えていた。

 楽天と全旅連は同問題に関する協議会を4月から実施。5月の第2回協議会で楽天側は、キャンセル料の自動引き落としを行う方向で検討していると明言した。

 第3回協議会は7月26日に行われ、楽天側がシステムの改修スケジュールを説明した。

 全旅連から宮村耕資・総務委員長、永山久徳・広報小委員長、伊藤真司・同委員、利光伸彦・青年部特別対策担当副部長、内田宗一郎・青年部緊急特別対策委員長ら、楽天から齋藤克也常務執行役員、羽室文博事業推進第一部部長らが出席した。

 楽天の説明によると、キャンセル料の自動引き落としは9月末から開始。当初は8月中の開始を予定していたが、同社の社内事情で約1カ月ずれ込んだ。

 自動引き落としの顧客への説明は、キャンセルを行う段階で表示される。ただ、引き落としは強制ではなく、顧客に同意するか否かを選んでもらう。同意しない場合は宿泊施設に確認をして施設に直接支払うよう画面で案内する。この点については今後の検討課題になりそうだ。

 キャンセル料の不払いを助長する表現を含め、両者は今後もシステムの稼働状況を注視し、協議を継続する予定だ。

 
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