世界的な旅行ガイドブック「Lonely Planet」(ロンリープラネット)がこのほど発表した2020年に訪れるべき世界の旅行先のランキング「Best in Travel2020」(地域編)で、日本の東北地方が3位に選出された。東北地方の旅行先としての認知度が高まり、今後の観光客の増加が期待される。
日本政府観光局(JNTO)によると、東北地方は、豊かな自然、祭りなどの文化遺産、食の魅力、おもてなしにあふれ、東京オリンピック・パラリンピックで訪日するアドベンチャー志向の旅行者にとって新たな旅行先として評価された。東日本大震災後の観光地の復興、東京からのアクセスの良さなども選考理由という。
震災以降、海外に向けた観光プロモーションは、東北観光推進機構、東北の自治体や観光関係者、観光庁、JNTOなどが連携して取り組んでいる。ロンリープラネットを含むメディアを東北に招請する事業、米国のCNNや英国のBBCなどグローバルメディアを通じた広告宣伝などを展開してきた。
東北観光推進機構では今回の選出を契機に、「オール東北でのプロモーションによるブランドの確立や観光コンテンツの充実、広域周遊、二次交通など受け入れ環境整備を進めていく」とし、東京オリンピック・パラリンピックや21年4月からの東北デスティネーションキャンペーンなども誘客に生かす。
ロンリープラネットは、ガイドブックやウェブサイトを通じ、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語など多言語で観光情報を発信している世界的なメディア。毎年秋に発表される「Best in Travel」は、編集者、ライター、ブロガーなどの推薦を基に専門家委員会で上位10位の国、地域、都市などが選出され、各種メディアで紹介される。
東北地方の外国人延べ宿泊者数は、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、18年の実績が前年比33%増の128万7千人泊。政府では、20年までに150万人泊に引き上げる目標を掲げている。