
長野県の東信、北信の観光に焦点を当てた一冊。エリア内の豊かな観光資源、「テーマ型観光」「ゾーン型観光」、近未来の観光、エリア内を代表する川「千曲川」「犀川」の紹介・解説で構成する。
同県は魅力的な観光地が多いが、観光ガイドでは物足りず、逆に書籍では細分化されすぎている。
本書では、風土や歴史を知ってこそ観光の楽しさが深まると考え、この考えは、今回紹介するエリアだけではなく、他の地域でも十分に活用できる新しい観光開発モデルになると説く。
また、新しい観光資源創出の核の一つとして「英国庭園」を取り上げている。欧州の庭園史に精通する著者が、エリア内の庭園を紹介しつつ、将来の観光の理想を示している。
著者の岩切氏は東大大学院卒。本書を書き上げた直後に急逝したため、2年半にわたり同行取材した妻、千代子さんが最終的にまとめあげた。
A5判、324ページ。1600円(税別)。問い合わせは原書房TEL03(3354)0629。
