書評「観光学全集」

  • 2010年1月30日

 観光分野の研究者ら約700人が所属する日本観光研究学会。新しい学問のため学者間でなかなか定まらない観光学の共通定義などを示した。全10巻と別巻1冊を発行する予定で、初回発行は第1巻と第9巻。

 第1巻では「観光学の基礎」と題し、観光の意義と役割を示したうえで、「ツーリズム」と「観光」、「観光資源」と「観光地」といった用語について新たな定義を行っている。このほか、巡礼や遠征なども含めた人類の旅の歴史も、「観光史」として学問の一分野に置いた。編著は帝京大学経済学部観光経営学科の溝尾義孝教授が務めた。

 第9巻は「観光政策論」。国や自治体が政策として観光に力を入れている一方、観光政策論は新しいジャンルのため体系的にまとめられてこなかった。同巻では観光政策論全体の意義付けのほか、国や自治体の取り組みを例に引き事業実態を分析、評価。今後の観光政策論の進め方などについても示した。編著者は元日本観光協会理事長で現加賀市長の寺前修一氏。

 続巻は文化論、観光行動論、経済論、産業論、地域論、情報論などを予定している。価格はそれぞれ2520円。問い合わせは原書房(TEL03・3354・0685)まで。

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