普及するか、旅館・ホテルの抗原検査


抗原検査キットの使用方法を説明した東京旅組の理事・支部長合同会議

観議連が推進提言

 新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動を両立するため、宿泊施設の従業員や旅行者を対象に抗原検査を積極的に行うべきとの声が自民党観光産業振興議員連盟(観議連)から上がっている。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は、検査の実施について組合員旅館・ホテルに意見を聞くアンケート調査を実施。東京都ホテル旅館生活衛生同業組合(東京旅組)は、検査キットを調達する際の費用の助成を都に求めるなど、検査に前向きな姿勢を示している。

 観議連の細田博之会長らは、「無症状のウイルス保有者を特定できないために全ての人々の行動を自粛させており、いつまでも観光、飲食、催事の縮小を強制する結果になっている」と指摘。宿泊施設の接客要員や旅行者が抗原検査を積極的に受けられる体制整備を国などに求めている。

 全旅連は、組合員旅館・ホテルを対象にしたアンケート調査を2月24日から3月13日までの期間行い、今春の自館の売り上げ予測などとともに、抗原検査の実施意向を聞いた。

 4月には47都道府県旅館ホテル組合に抗原検査キットの見本を送付したほか、旅館・ホテルに検査についての知識や実施意向を聞くアンケート調査を再度実施。「今後の新型コロナ対策を考察する際の参考にしたい」としている。

 4月の調査結果は現在集計中だが、2~3月のアンケートでは、検査を「安価であれば実施したい」が67.9%と約7割を占め、「しない」の30.1%を上回った。調査には1017軒が回答した。

 東京旅組の工藤哲夫理事長らは3月31日、都庁を訪れ、抗原検査キットを組合員旅館・ホテルが調達する際の費用の一部助成や、組合員が検査を行った際の「検査済み証」発行を求めている。

 東京旅組は4月22日、理事・支部長合同会議の席で、抗原検査キットの現物を参加者に配布。使用方法の詳細を説明した。

 会議の席で工藤理事長は、「観議連から『(感染者の)数が収まるのを待っているだけではいけない。われわれ(宿泊業界)が積極的に検査をして、消費活動を促進すべきではないか』と提言をいただいた」「検査をやる、やらないは個々の判断だが、組合としては(検査について)積極的に情報発信したい」と述べた。

 東京旅組が会議で取り上げた検査キットは被験者の唾液を調べる検査で、実施後、約15分で結果が判明する。価格は1キット(1回分)1100円。宿泊事業者向けに外国人材の受け入れ事業を行うSKTアライアンス(本社=東京都)が扱っており、組合員旅館・ホテル向けの注文書を同旅組のホームページに掲載している。

 抗原検査はウイルス特有のタンパク質を検出する検査。遺伝子配列を検出するPCR検査に比べて精度は劣るものの、判定までの時間が短く、安価で行える特徴がある。

抗原検査キットの使用方法を説明した東京旅組の理事・支部長合同会議

配布されたキット

 

 
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