コンサルタントのリョケンはこのほど、四半期ごとに実施している旅館・ホテル対象の「短期観測アンケート調査」の、昨年12月実施分の結果を公表した。それによると、昨年秋(9〜11月)の客数は「減少傾向」とする回答が前年同期に比べ増えるなど厳しい状況だった。北陸や新潟地区の地震が秋の団体客獲得時に発生し、当該地区が敬遠されたことなどが影響した。今冬の客数見込みも原油高などの影響で厳しい見通しを示している。
調査は12月9〜25日、全国の旅館・ホテル688軒に実施した。回答数123軒で回答率17.9%。
昨年秋の自館の客数傾向は「増加傾向」に27.3%、「横ばい傾向」に31.4%、「減少傾向」に41.3%がそれぞれ回答した。
これを前年同期と比較すると、「増加傾向」(34.0%)が6.7 ポイント減少したのに比べ、「減少傾向」(41.3%)が3.2ポイント増加。「横ばい傾向」(31.4%)も3.6ポイント増加した。
昨年秋の地域の客数傾向は、「増加傾向」11.8%、「横ばい傾向」36.5%、「減少傾向」51.8%の回答。
前年同期との比較では、「増加傾向」(17.3%)と「横ばい傾向」(44.0%)がそれぞれ5.5ポイント、7.5ポイント減少したのに比べ、「減少傾向」(38.7%)が13.1ポイントの大幅増となった。地震の影響などで「減少傾向」の回答が例年に比べ多くなっている。
一方、今冬(1〜3月)の客数見込みを聞いたところ、「増加傾向」は自館で15.8%、地域で5.9%にとどまった。半面、「減少傾向」は自館で33.3%、地域で41.6%が回答。その他の約半数が「横ばい傾向」と回答した。
リョケンでは「施設リニューアルといった期待感のある意見が前年に比べて見られないことが特徴的。また、国内旅行市場に対する不安感を抱えており、特に原油高とそれに伴う物価高騰により、消費者の旅行需要低下を懸念する声が多くみられた」と指摘している。