早大ホスピタリティ研、マネジメントセミナー開催


 早稲田大学ホスピタリティ研究所(中村清所長=早稲田大学国際教養学部教授、山口祐司顧問=桜美林大学名誉教授)は12月15日、「第10回早稲田大学・コーネル大学 ホスピタリティ・マネジメント・セミナー」を同大の大隈記念小講堂で開いた。

 コーネル大学ホテル経営学部長のマイケル・ジョンソン教授=写真=は、講演「ホスピタリティマネジメント教育の発展」の中で「ホテル経営に大学教育は不要と考えられていた1922年に、コーネル大学が世界で初めてホテル経営学の学位を創設。現在では学生820人の規模になっている」と同学部の歴史を紹介した。

 また「当初は教育の力点を物理や化学などに置いていたが、いまはそれが経営学に移っている。特に不動産の比重が高まっていて、60人の教授陣のうち5人が不動産を専門に教えている」とカリキュラムの変遷を説明。さらに「ホスピタリティ教育では、マネジメント教育の上にさらに重要なリーダーシップ教育がくる」と話した。

 続いて、セントラル・フロリダ大学ローゼン・ホスピタリティ経営学部長のアブラハム・ピザム教授が「ツーリズムとホスピタリティマネジメントの領域」を講演した。

 日本の現状では、水嶋智・観光庁観光資源課長が「日本では現在37大学に観光系学部・学科があり1学年に約3900人が入学している。ただ2年前の調査では観光系学部卒業生の中で、鉄道や航空会社も含む広義の観光産業界に就職したのは全体の23%だった」と説明。その上で「大学の観光教育カリキュラムが産業界のニーズに合っているのか検証する必要があり、今取り組んでいる」と話した。

 これを受けて原忠之・セントラル・フロリダ大学ローゼン・ホスピタリティ経営学部准教授は「日本の人口約1億2800万人に対して米国の人口は約3億人。米国には200近くの大学にホスピタリティとツーリズム系の学部がある。中でもホスピタリティマネジメントを教える学部が多いが、これは産業界のニーズに応えた結果だ」と解説した。

 アブラハム・ピザム教授は「ハーバード大、プリンストン大、イェール大など米国北東部の伝統校8校で構成するアイビーリーグの中で、ツーリズム・ホスピタリティ系学部を持つのはコーネル大だけだ。残念ながら、ツーリズム、ホスピタリティの現在の位置づけは、アカデミズムの中でもして高いとはいえない」とコメントした。

 
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