日観振理事長に前観光庁長官就任


久保成人氏

久保成人氏

 日本観光振興協会(会長、山口範雄・味の素特別顧問、約670会員)は9日、東京・高輪の品川プリンスホテルで2016年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、見並陽一理事長が退任し、後任に前観光庁長官で三井住友海上火災保険顧問の久保成人氏が就いた。会長、副会長はいずれも留任。

 総会には約220人が出席。冒頭あいさつした山口会長は、熊本地震で落ち込んでいる九州の観光復興に強い意欲を示すとともに、訪日外客の増加について触れ、「各地に(外客を)波及させることが大事だ。そのためには地域の魅力ある観光資源を磨き上げ、ゴールデンルート以外の新たな広域観光周遊ルートの創出、促進が欠かせない」と強調した。

 また、今年度新たに設立した日本観光振興アカデミーやDMO推進室、国際交流推進室の取り組みに期待を寄せる一方、観光立国推進協議会について「新たな観光事業を作りだす場として機能できるよう検討していく」と述べた。

 来賓として観光庁の田村明比古長官、総務省の原田淳志地域力創造審議官が出席し、あいさつした。

 16年度の事業費全体予算額は6億4200万円で、(1)地域の担い手となる観光人材の育成に1億4900万円(2)多言語による地域の観光情報の国内外への発信など、地域の観光魅力の創出と観光需要の創造に1億5100万円—などに充てる。

 定款の一部改正では新たに賛助会員制度を創設。会費(年額)は個人が1万2千円以上、団体3万6千円以上とした。賛助会員は議決権がない。

 総会後の情報交換会には国会議員や観光関連団体・企業のトップらが多数出席。石井啓一国土交通相は、九州の観光復興に政府挙げて取り組む考えを示すとともに、「日本の人口が減少する中、観光振興による交流人口の増加が地方創生の切り札、そして経済成長のエンジンになる」と観光の重要性を指摘、その上で「観光産業の生産性を向上させ、日本の基幹産業にしたい」と抱負を述べた。

 また、菅義偉官房長官は「世界の(観光)需要を見ると、毎年4%ずつ成長し、30年には18億人に増えると予測されている。(政府が掲げる)20年に訪日外客4千万人は少なすぎるのではないかという人もいる」とユーモアを交えてあいさつし、4千万人、旅行消費額8兆円の目標にまい進すると誓った。
 なお、久保氏以外の、役員改選に伴う新役員は次の通り(敬称略)。

 副理事長=久保田穣(JTB常務)▽常務理事=相京俊二(日観振旅行振興部長)▽理事=遠北光彦(南海電気鉄道社長兼CEO)、堰八義博(北海道銀行会長)、常盤百樹(四国経済連合会相談役)、前川忠生(JR東日本常務執行役員)▽評議役員=石田徹(日本商工会議所専務理事)、岡崎彬(岡山県観光連盟会長)、清重泰孝(徳島県観光協会理事長)、近藤幸二(全国旅行業協会副会長)、鈴木裕(国際観光施設協会会長)、橋本昌(茨城県観光物産協会会長)、浜田恵造(香川県知事)、平井康博(山形県観光物産協会会長)、古尾谷光男(全国知事会事務総長)、溝口善兵衛(島根県知事)、三村申吾(青森県知事)、横田信秋(全国空港ビル協会会長)▽監事=大下航)公認会計士、原口宰(JR東日本企画社長)

久保成人氏

 
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