
ビッグデータの研究事例を紹介する清水教授
日本観光振興協会は16日、観光業界の課題解決に向けた意見交換や検討を行う「観光経営研究会~世界水準の観光経営を目指す産学官合同研究会~」の初会合を東京都港区の同協会で開催した。観光統計やビッグデータの活用について意見を交わした。産学官の観光関係者ら約50人が参加した。
研究会では冒頭、日観振の久保成人理事長が「観光を取り巻く環境は日々変化している。課題が浮き彫りとなる中で、現状を打開するためにも観光地経営をより効果的に実現しなければならない。DMOも世界水準となる必要があり、認定の時期も迫っている。産学官が共同で話し合い、連携を深め、観光振興の道を開きたい」とあいさつした。
第1部は、日観振総合調査研究所長で首都大学東京都市環境学部の清水哲夫教授が「観光の減少と行動を分析するための統計・ビッグデータ~できることできないことを考える~」をテーマに講演。調査データの取得方法や国などの観光関連の統計を組み合わせた観光動向の実態、大学と信用金庫による人材育成講座の取り組みなどを説明した。
第2部は、民間企業2社がビッグデータの活用方法を説明。コロプラが、観光マーケティングの実例を、KDDIのスマートフォンユーザーによる位置情報を活用した観光動態調査手法を使用して紹介。来訪者属性や交通手段、滞在時間などの分析を、自治体の活用例などを交えながら説明した。また、ナビタイムが訪日外国人の行動について紹介。同社作成の観光案内アプリを使用する訪日外国人の属性や行動を、各地の移動パターンを可視化したデータを元に説明した。
今後、研究会は定期的に実施する予定。