
宿泊客も参加した「露天風呂の日」の砂湯の清掃(6月26日)
日本温泉協会(笹本森雄会長、1163会員)は6月25日、岡山県真庭市・湯原温泉で会員総会を開き、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への登録を目指す事業を2023年度の最重点の活動項目に掲げた。議事に続き「温泉文化」をテーマにしたシンポジウムも開催し、温泉旅館の経営者らが登録に向けた課題を議論した。シンポジウムでは、日本の温泉を世界に発信するだけではなく、登録への運動を契機として、日本人自身が温泉文化を見つめ直し、それを共有していくことの重要性を確認した。
日本温泉協会の会員総会は、1929年の創立以来、全国の温泉地で開かれてきたが、岡山県での開催は初めて。2023年度会員総会の開催地は、岡山県真庭市の湯原温泉。川底から温泉が湧出する共同露天風呂の「砂湯」は湯原温泉のシンボルで、「全国露天風呂番付」で”西の横綱”にランクされたこともある。
湯原温泉は、泉源が全て自噴泉で、泉質はアルカリ性。湯原ダムの直下、旭川沿いにある砂湯は混浴で、24時間無料で開放されている。旅行作家、野口冬人氏が1980年に発表した全国露天風呂番付では「西の横綱」に選ばれている。
湯原温泉では、6月26日を語呂合わせで「露天風呂の日」に制定。今年も同日に、温泉の恵みに感謝する神事、砂湯の清掃、温泉街でのイベントなどが行われた。
6月25日に開催された日本温泉協会の会員総会に来賓として出席した太田昇真庭市長は「湯原温泉は長い歴史と良質な湯を持つ。露天風呂もぜひ体験してほしい」とPR。伊原木隆太岡山県知事も「湯原温泉、そして奥津温泉、湯郷温泉の美作三湯は岡山県の誇り」として魅力をアピールした。
宿泊客も参加した「露天風呂の日」の砂湯の清掃(6月26日)