日本旅館国際女将会(長坂正惠会長)は3月24日、「3月定例会」をエコッツェリア協会(東京都千代田区大手町)交流施設「3×3 Lab Future」で開いた。環境省温泉地保護利用推進室室長の北橋義明氏が「温泉地の活性化に向けた環境省の取り組み~新・湯治の推進~」をテーマに講演した。
北橋氏は「温泉は国民共有の資源であり、温泉地の核となり、将来世代へ引き継ぐもの。温泉地に長期滞在し、入浴して病気を治癒する古くからの『湯治』を見直し、温泉入浴に加えて、周辺の自然、歴史・文化、食などを生かした多様なプログラムを楽しみ、地域の人や他の訪問者とふれあい、心身ともに元気になることを目指す『新・湯治』に関係機関と連携して取り組んでいる」と話した。
具体的には「新・湯治推進プラン」として(1)楽しく元気になるプログラムの提供(2)温泉地の環境づくり(3)「新・湯治」の効果の把握と普及、全国展開(4)推進体制の構築等(5)国民温泉保養地における取り組み―を紹介。特に(2)では、外湯めぐりの充実といった「にぎわいの創出」、周辺の自然環境等の地域資源の一体的評価と持続的な利用(温泉熱利用、モニタリング)、温泉地を拠点とした広域周遊、国立公園満喫プロジェクトとの連携などを挙げた。
温泉熱については、有効活用を促進するために「温泉熱有効活用に関するガイドライン」「パンフレット(概要版)」「温泉熱利用事例集」「温泉熱利用活用ツール」といった各種ツールを作成。自治体、事業者向けセミナーを定期的に開催しているとした。
インバウンド向けには、「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは(https://www.env.go.jp/nature/onsen/pdf/top.pdf)」の英語版・中国語版・韓国語版を作成し、環境省サイトで公開していると述べた。
また、各省庁の温泉地向け補助事業をまとめた「令和4年度温泉地で活用できる事業集(https://www.env.go.jp/nature/onsen/pdf/2022-2.pdf)」も紹介した。
講演する北橋室長